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礼さんは、穏やかに笑った。
綺麗な人だな、とは思ってたけど
こんなに優しく笑うんだ。
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礼「だって廉、いっつも
Aちゃんのことばっかり目で追ってるし
Aちゃんに何かあったらすぐ飛んで行っちゃうし
前なんて雨の中私を放ったらかしにして
Aちゃんのとこに走って行っちゃうし
私とは絶対手繋いでくれないし…
まだまだあるけど、まだ話す…？笑」
「もうええわ。笑」
ふと、廉くんに目を向けると
顔を真っ赤にして下を向いてる。
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礼「それだけあからさまにされちゃうと
私の出る幕はないんだなって、嫌でも気付くよね。
悔しくて足掻いちゃったけど、もう諦める。」
「当然やわ。」
礼「Aちゃん、ごめんね。
廉、大好きだったよ。
Aちゃんのこと、幸せにしてあげてね。」
「当たり前やろ。」
礼「ふふ、そうだよね。」
.
礼さんの笑顔は、
あまりにも切なくて儚かった。
本当は、綺麗な心の持ち主なんだろう。
こうして、真っ直ぐに廉くんを想ってたんだし。
ただ、頑張る方向を間違えてしまっただけなんだ。
だからこそ廉くんも、最後まで
礼さんを振り払うことができなかったのかな。
廉くん、優しいから。
.
だって、
「礼。好きになってくれてありがとうな。」
.
ね、こういうとこ。
すっごいすき。
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作者名：Raine. | 作成日時：2020年5月26日 19時
