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さくら「おはよ!...って、テンション低ッ!」
『あ、さくら、おはよ。』
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今日も今日とて
幼馴染のさくらと一緒に登校する朝。
昨日のことを
今だに引きずりまくっている私は
よほどわかりやすく落ち込んでいるのだろう。
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そして今日ももちろん
" キャーーーーーーーーッ♡ "
聞かなきゃいけないんだよね。
あの2人に向けられる歓声を…
やだなあ…、と
私は顔を下に向けて
極力見ないようにする。
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さくら「うっわ、誰!あのイケメン〜」
紫耀先輩のことは知ってるはずだから
今更、さくらちゃんは何を言ってるのかな?
そう思って顔を上げると
そこには紫耀先輩ではなく
初めて見る顔が。
しかもかなりのイケメンだこと…。
じゃあ今の黄色い歓声はこの人の??
良かった、今日は見なくて済んだ。と、
安心したのもつかの間。
" キャーーーーーーーーッ♡ "
向こうの方で
別の歓声が上がったと思ったら
そこには手を繋いだ紫耀先輩と莉子先輩。
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真横で騒ぎになってる人なんて興味なくって
ツラくなるのはわかってるのに見てしまう。
遠くの紫耀先輩を。
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そして
私なんかじゃ到底追いつけないって
悔しくて、情けなくて、
胸の奥が締め付けられるのが苦しくて
ギュッと自分の右手を
爪痕が付くほどにキツく握った。
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作者名:Raine. | 作成日時:2020年5月26日 19時