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｢お久しぶりです、A様｣
カリムよりは目立たない正装に身を包んだジャミルに仰々しくそう挨拶される。
｢えぇ、元気そうでなによりよジャミル。 ティモシーの相手をしてくれていたのね｣
カウィの隣にいる時よりも自然体でいるティモシーの様子を見てそう言った。
｢いえ、ティモシーさんにはこちらも勉強になる事が多いので｣
｢そうっすよ、サバイバルスキルだけなら俺は王宮騎士の中で三本の指に入る自信があるんで！｣
ふんふんと鼻息を漏らしながら自慢げにそう言うティモシーに少し笑いながら、
｢一番は騎士団長かしら？｣
と、返した。
｢おう！ ……あ、これじゃ駄目なのか…… えぇーっと……｣
ティモシーが返事の仕方にしどろもどろになっていると、
｢この場合、ご名答ですがいいんじゃないですか？｣
と、ジャミルが助け舟を出した。
｢おぉ！ ありがとな、ジャミル！｣
ニカッと笑いながらジャミルの頭を荒々しく撫でると、私の方にも笑顔を向けて、
｢ご名答です、A様！｣
と、返してくれた。
……ティモシーは、確か虎の獣人だったわよね……？
……犬や狼なんかでは、本当に無いのよね……？
彼の頭頂部から生えている
｢A、早く行こう！ 誕生祭が始まっちゃうぞ？｣
と、カリムがそう言いながら私の手を引いて馬車の中へと入っていった。
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