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＿＿＿なぁ、何してるんだ？
きらきらと輝く白い髪の少年が、しゃがみこんでいる私の顔を覗き込みながらそう聞く。
＿＿＿なっ、カリム！ いくら婚約者候補とはいえ、距離が近すぎる！
彼の従者が引き離そうとするが、彼には全く効果がないようだった。
｢綺麗な花を探しているの。 あと少しで弟か妹が産まれるから、その子に渡そうと思って……｣
私がそう答えると、彼は太陽のように晴れやかに微笑みながら、俺も一緒に探すよ！ と、言ってくれた。
私が納得する位綺麗な花を見つけ出すことができたのはその数時間後の事で、もうとっくに日は沈んでいた。
｢あぁ、姫様！ こんな時間まで何を！？｣
乳母のヤシュムが真っ白に染まった髪を揺らしながら寄ってくる。
｢お腹の子に送る花をカリム達と一緒に探していたの。 二人のおかげでこんなに綺麗な花を見つけられたわ｣
ほら！ と、ヤシュムに見せると、
｢まぁ、綺麗なお花ですね！ 花束にして明日にでも持っていきましょう｣
と、目尻に皺を作って言ってくれた。
｢……その花、明日じゃ間に合わないぞ？｣
カリムがそう言って私の手から花を取る。
｢この花、満月の夜にしか咲かない特別な花だ｣
｢……じゃあ、お母様には見せられないのかしら？｣
｢残念だけどなぁ…… 折角A様が頑張ったんだし、王妃様にも見せたかったなぁ……｣
｢……そういう事なら仕方ないわね。
ヤシュム、これは私の部屋に置いておいてくれる？｣
｢えぇ、勿論です。 王妃様に見せられないのは残念ですが、その分A様に見てもらえてこの花も幸せですよ｣
｢ありがとう｣
｢カリム様達は、お迎えを呼びましょうね。
きっとお父上様が心配されているわ｣
｢あぁ、ありがとう！｣
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