if...-2014- 〜広島作品〜7 完結

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水谷さんに散々からかわれながらストールを選ぶ。


正直全然集中して選べない。


水谷｢やっと付き合ったかー｣


千葉｢しつこいって！羨ましいか！｣


水谷｢羨ましわ！｣


ほかのお客さんがいないっていってもほかの店員さんはいるのに。


それに青ちゃんがもうおしまいって言ったらどうするんだろ？


別れたことになるのかな？


そしたらもう一緒にここに来れないんじゃないかな……


そもそもこの入れ替わりがなかったらもう一緒に出かけることもできてなかったか。


そう考えたらすごく寂しい……。


千葉｢すげー迷ってんじゃん！珍しい！｣


水谷｢いつも瞬殺で決めるのにね？｣


千葉｢右のがAっぽいよ｣


水谷｢彼氏のオススメが一番！｣


水谷さんは右のストールをさっと取るとレジで包み始めた。


水谷｢これ俺からの祝いね！｣


A｢えっ｣


千葉｢いーの？｣


水谷｢嬉しいもん、千葉くんの恋やっと実って｣


千葉｢あざーす！じゃ、俺これで！｣


水谷「それは自分で買ってねー。まいどー」


ふざける2人を見ながら慌ててお礼を挟む。


A｢ありがとうございます。でも……｣


正直に正式な彼氏じゃないんだって言おうとして、やっぱり躊躇った。


チーちゃんの顔潰しちゃう。


言葉の続きを待つ2人。


心配そうな顔のチーちゃん。


A｢……ストール、すぐ使いたい！｣


水谷｢じゃーラッピングいらんね！タグ切るよ？｣


A｢うん！ありがとうございます！｣


水谷さんがストールを綺麗な三角に折って肩にかけてくれる。


水谷｢確かに、Aちゃんっぽい。Aちゃんの手持ちの服にも合わせやすいと思うよ｣


A｢ありがとうございます。大事にするね｣


店を出るとまた手が繋がる。


去年を思い出す。


私も、いつか青ちゃんに別れを告げられるって分かってながら恋人でいたかった。


青ちゃんの提案はいつも勝手だけど、いつも物事は上手くいってる。


飛び込む勇気で全力で乗っかってみようかな。


青ちゃんを信じてれば全てうまくいく気がするんだ。

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