if... 2013 〜広島V2記念作品〜 6

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首にかかったたくさんのメダルと、鳴り止まないプライベート携帯と社内携帯。


去年の経験で要領は掴めてるつもりだったけど、相変わらずのてんやわんやっぷりだ。


でもこの忙しさは本当に嬉しい。


散々ロッカールームで騒いだ後なのに、ホテルに向かうバスでも、みんなは大騒ぎだった。


寿人｢スカパーでダイジェストやっとるよ！｣


寿人さんの掛け声で、近くにいるタブレットを持った選手にそれぞれ群がる。


私はヨコさんと一緒に監督と寿人さんのタブレットに目を向けた。


A｢俊さん……｣


ピッチに伏せる俊さんの映像が映し出されると、騒がしかった車内がしんと静まる。


特に寿人さんは大きなショックを受けていた。


去年私たちがこうなった可能性もあるんだ。


ずっと首位を走っていても、最後まで1位を守るということはこんなに難しいんだ。


改めて連覇の重みを感じた。


森保｢……こうやって、本気で……真剣に闘ってくれるチームがあってこその優勝だよ。健闘した同士を誇ろう。その上での優勝だ｣


監督の声が車内に響くと、気が引き締まった。


寿人｢まだ、天皇杯もあるもんね。浮かれてちゃいけなかったね｣


森保｢いいんだよ。浮かれたっていい。今日は浮かれよう。でも、リスペクトを忘れないこと。それから、明日からは切り替えること｣


監督の笑顔にはらしさがこもっていた。


森脇｢番組収録ではしっかり盛り上がってくれよ！｣


A｢今年も夜中までみっちりだから、みんなもうちょっとだけ頑張ってね！｣


ホテルに着くと、主力組は取材のために東京に直行。


何故かチーちゃんの北の国から専用ギターも用意されていた。


寿人｢Aはどっち来んの？｣


A｢私もみんなと東京だよ。みんなスケジュールがバラバラだから、ずっと一緒には行動できないけど｣


去年は度数の強いお酒で眠らされたっけ。


……浦和はACLも逃したんだ……。


大丈夫かな……。


青山｢ねぇ、ネクタイこれ？｣


A｢あ、うん！｣


周作｢首苦しーっ。後でもいい？｣


A｢うん！でもバタバタするから着く5分前にはしといてね｣


どっちにしてもこっちからは連絡できないか……。


3人のことも元気も、心配だな……。

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