if... 2013 〜広島V2記念作品〜 6

32 ao side ページ32

A｢二次会受付まで時間あるね。お茶する？｣


Aが小さなパーティーバッグから携帯を取り出して時間を見る。


淳矢｢2人でデートしてきたら？｣


A｢……えっと……｣


そうだ、淳矢の前では付き合ってるフリしてんだった。


まぁもう完全移籍発表したし、バレてもいいんだろうけど。


洋次郎｢良太たち着いたって。駅まで迎えに行って会場行ったらちょうどいいかも｣


A｢洋次郎飲んでないの？｣


洋次郎｢うん。二次会では車一晩置けるらしいから飲むけどね｣


千葉｢岳人と拓磨の免許が間に合えばなー。あいつらどーせ飲めないんだし｣


顔が曇ったAの前に淳矢がしゃがむ。


淳矢｢浦和組と気まずいの？｣


A｢気まずいってほどじゃないけど……変に時間空けちゃった｣


淳矢｢大丈夫だよ。Aたちだもん｣


A｢ありがとう｣


車が駅に着くと、運転手の洋次郎以外は車を降りた。


ぞろぞろと人が出てくる改札口を見ていると、隣にいたAが人とぶつかる。


A｢きゃ！｣


蛍｢あ、すいませ……｣


A｢蛍！？｣


蛍｢……？｣


拓実｢Aやん！｣


曜一朗｢え！？Aなん！？どこのお姫様かと思ったわ！｣


A｢どーしたの！？｣


タカ｢あ、淳矢！｣


淳矢｢タカくん！｣


ただでさえ目立つのに、これはもう……


槙野｢A！！｣


A｢わあ！？｣


槙野に抱き抱えられたAが、槙野の肩に手を置く。


A｢トンちゃん！｣


安心した顔で笑うA。


良太｢スカートなのに……｣


陽介｢あれ？大阪組も呼ばれたん？｣


健勇｢俺らは観光っすよ！サプライズで寮行こうと思ってたんやけど……結婚式？｣


槙野｢二次会なら乱入してもえーじゃろ！スペシャルゲストで行こーや！｣


曜一朗｢誰の式っすか？｣


青山｢右サイドの清水って分かる？｣


蛍｢あぁ！めっちゃ良くしてもらいました！結婚されたんっすね！てっきり……｣


千葉｢とにかく目立ちすぎるって！一旦車に……いや、無理か。現地集合にしよう！｣


陽介｢せやな！じゃ、後で！｣


当然のようにAの手を引く陽介。


大阪組、浦和組とA、そして残された俺たちの3グループに分かれて車やタクシーに乗った。


迎えに来た意味ないじゃん、なんて理屈は通用しそうになかった。

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