if... 2013 〜広島V2記念作品〜 6

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周作｢淳矢ー、ひらののおばちゃんとこ行くー？｣


千葉ちゃんと洋次郎の生番組を見終わった頃、周ちゃんが顔を出した。


ひらのはみんながお気に入りのお好み焼き屋さんで、広島に帰ってきたら絶対に外せないコース。


淳矢｢行くー！行こ、A！｣


A｢うん！｣


つい淳矢の手を取りそうになって、慌ててその手を引っ込めた。


青ちゃんと付き合ってることにしてるんだから、気安くこんなことしちゃだめだ。


淳矢｢青くんも行くよね！｣


青山｢俺ら昨日お好み焼きだったんよ｣


青ちゃんの手が引っ込めた手を握る。


同時に、懐かしいくらい優しく指を絡ませる。


青山｢2人で食ってきて。俺らも適当に食って1時間くらいで戻るけん｣


淳矢｢そっか、了解！｣


周作｢じゃ、後でねー｣


2人が仲良く出ていくのを見送って、繋がった手から指を離した。


A｢うそつき。お好み焼きしばらく食べてないじゃん｣


青山｢せっかく今日は彼氏になれたんじゃけ、2人で何かしよーや？｣


A｢何かって言われても……｣


青山｢今日1日俺彼氏よね？｣


A｢淳矢がいないとこでは普……｣


青山｢違うなら1人で出掛けよー。夜まで帰って来んかもなー｣


にやにやしながら顔をのぞきこまれると、本当に付き合ってた頃に戻ったみたいだ。


いじわるで、優しくて、かっこよくて、大好きな青ちゃん。


青山｢……違わんよね？彼氏よね？｣


何でそんな顔するの？


青ちゃんに好きな人ができたから、辛い思いはしないと思って頼んだのに。


期待させるような顔しないでよ。


望みがないって分かってるから割り切って頼めたんだよ……。


A｢今日だけね｣


自分に言い聞かせるように答えた。


青ちゃんはそれでも嬉しそうに笑う。


青山｢何食う？｣


離したはずの手がいつの間にか繋がって、青ちゃんは玄関にかけてある車のキーをチャリンと回した。


青山｢お好み焼き？｣


A｢……うん｣


青山｢だと思った(笑)｣


チーちゃん、早く帰ってきて。


このままだと私、青ちゃんの催眠にやられてしまう。

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