if... 2013 〜広島V2記念作品〜 6

12 chiba side ページ12

A｢おはよー！｣


ハイテンションのAを見て、安心と少しの寂しさを感じた。


あの一件で落ち込むかと思いきや、次の日にはケロッと練習見てくれてたし。


今日は淳矢が遊びに来るみたいだし、そういうのも支えになってんのかな。


岳人｢A、今日車校連れてってよ｣


A｢ごめん、私今日淳矢と約束あるんだ！航平に頼んであげる！｣


岳人｢えー、じゃあ明日にしよっかな｣


A｢だめだよ。早く免許取っておいで｣


岳人とも、最近やけに仲良いし。


やっぱ何だかんだユースが強いのか……。


フルーツ盛りに手をつけながらAを見ていると目が合った。


その瞬間、ふわっと笑う。


A｢おいしそうっ｣


千葉｢食べる？｣


手招きすると犬みたいに駆け寄ってくる。


千葉｢あーん｣


A｢あーん｣


可愛い。


可愛くて、虚しくて、悲しい。


この道を選んだのは自分なのに。


青山｢お前ヨーグルトも食っとけよ｣


A｢さっきプリン食べたからいらない｣


青山｢プリンじゃでっかくならんよ？｣


A｢なにが！(笑)｣


青山｢何か図星だった？｣


ここも大分円滑になってきたな。


千葉｢乳といえばさ……｣


A｢乳の話してないから！｣


青山｢ほら図星(笑)｣


幼なじみってこんなもんなのかな。


喧嘩ってわけじゃないけど、揉め事もすぐ溶けてなくなるっていうか……


いいよな、そーゆー関係。


A｢あ、そういえば青ちゃん！お願いがあるんだけど｣


青山｢岳人の送迎ならやだ｣


A｢それは航平に頼むから大丈夫！拓磨連れてくって言ってたから！じゃなくて、今日1日寄り戻して！｣


青山｢いーよ｣


A｢ありがとう！じゃあ洗濯物干してくるね！｣


席を立ってパタパタと食堂を後にするAを見送る。


千葉｢頑張れー！｣


……って


千葉｢頑張れーじゃなくない！？え！？何今の！？｣


青山｢さぁ｣


千葉｢さぁじゃねーじゃん！！何で寄り戻すの！？1日！？じゃあ今日のAはトシのもの！？｣


ナニしてもいいって！？


馬鹿な！！！


青山｢淳矢絡みじゃない？どーでもいいけど｣


トシは最後のグレープフルーツを口に入れて、頬を上げた。


青山｢……どーでもいいけど、めちゃくちゃテンションあがる｣


千葉｢……2人きりになれると思うなよ！！！｣


今日俺洋次郎と収録の日だけど……

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