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ラウラのお店からの帰り道、4色のキーリングがついた4つの鍵が、楽しげにポケットの中で音を奏でる。


麻也がオレンジ、篤人が赤、マキが紫、祐樹が黄色。


覚えやすいし、これでもう鍵の開け閉めも迷わずにできる。


麻也「もう大分暖かくなってきたね」


隣を歩く麻也が空を見上げる。


A「ドイツももうすぐ春だね」


日本での春は嫌いだった。


環境が目まぐるしく変化して、麻也もJリーグが再開して忙しくなって。


その点、ドイツは時間がゆっくり流れるから好きだ。


環境の変化も、昔ほど嫌ではない。


そう思えるようになったのは紛れもなく、この新しい出会いのおかげだと思う。


祐樹「内田くん、今夜Aのご飯食べさせてっ」


篤人「Aに聞いて」


槙野「A、俺イカフライ食べたい!イカフライ!!」


少し前を歩く3人が楽しそうに振り返る。


麻也「エビフライもして?」


A「何でも作る。キーリングのお礼」


小さなフェルトがついたキーリングをポケットから取り出してもう1度眺めた。


A「ラウラのお店、素敵」


麻也「うん、ラウラも想像通りの人だった」


A「優しくてあったかいの、ラウラ」


麻也「分かるよ」


麻也みたいなんだ。


安心できる家族みたい。


祐樹「Aーっ!俺カレー食べたい!」


また前方から大きな声が聞こえてきた。


篤人「じゃあ、俺カツカレー!」


槙野「俺はイカングのカレー!!」


A「うん!」


みんなにまとめて返事をして、足を止めた。


イカなんて篤人の冷蔵庫にはない。


A「祐樹!」


名前を呼ぶと駆け寄ってくる、首輪をつけた祐樹。


祐樹「なーに?」


A「買い物行く。麻也、先にみんなと帰ってご飯だけ炊いといて?」


祐樹「俺またパシり?(笑)」


A「いいの」


麻也「気をつけてね」


麻也たちと分かれて、祐樹の手を引いた。


口では嫌がりながらも何だかんだ付き合ってくれる祐樹と一緒に、早足でスーパーに向かう。


祐樹は繋いだ手を離さずに、ずっとにこにこしていた。

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設定タグ:サッカー , 内田篤人 , 大津祐樹   
作品ジャンル:恋愛
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Hina*(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん*ありがとうございます(*'▽'*)!キーリングかわいいですよー☆買おうかと思ったくらい(≧▽≦)完売で残念(@_@)トンちゃん、トンちゃん……ごめんなさい(T_T)苦笑 (2013年4月12日 17時) (レス) id: 53ec674374 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - こんにちは。フェルトキーリング後から調べて見ます!やっととんちゃんのターンなのに、なんだか切ないですね。この先も展開していきそいで楽しみです! (2013年4月12日 16時) (レス) id: ca43df3a4b (このIDを非表示/違反報告)
Hina*(プロフ) - さくらさん» さくらさん*こちらこそ、お返事ありがとうございます(*'▽'*)!マキに感情入れていただいて嬉しいです(T_T)4章でも是非是非よろしくお願いします!(^^)! (2013年4月11日 23時) (レス) id: 53ec674374 (このIDを非表示/違反報告)
Hina*(プロフ) - さくらさん» さくらさん*コメントありがとうございます(*'▽'*)!ここからまた一巡りも二巡りもしそうな展開なのですが、納得していただけるラストになるように頑張ります(^^*)これからもよろしくお願いします(*^^*) (2013年4月7日 12時) (レス) id: 53ec674374 (このIDを非表示/違反報告)
Hina*(プロフ) - るいぽんさん» るいぽんさん*ありがとうございます(>_<)!!長谷部さん、香川くんはプレー以外の性格的なところが分からなくて…(@_@)でも、せっかくご意見いただいたので、ブログとか拝見して勉強します(>_<)!嬉しいコメント、ありがとうございます(*^▽^*) (2013年4月7日 12時) (レス) id: 53ec674374 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Hina* | 作成日時:2013年3月27日 22時

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