びょういん。 (ページ4)

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「ｹﾎｯ……ｹﾎｯ……寒っ……戻ろ。」

午前４時半、仮眠スペースのベランダに出た。

でも、呼吸器系が弱い私は、急な環境変化についていけず、

乾いた咳が出る。冬は、空気が乾燥しているから余計に、喉が痛い。

仮眠を取れる時間もあと、わずか。

４時４５分になったら病棟に戻らなくちゃいけない。

でも、どうにも、息がしづらくて、体も少しばかりだるい。

今、壱馬は何をしてるだろう……………

壱馬は夜勤じゃないから、家にいるだろう、確か今日は外来だったはず。

体調悪いこと、一応メール入れとかないと、怒られるよね………苦笑

実は、前、喘息の発作が出たときに、壱馬に伝えなかったら、

こっ酷く怒られたんだよね………

すぐにスマホを開いて、壱馬とのチャット画面を開く。

昨日、送られてきた “ 夜勤、頑張れよ。” のあとに、続いて文字を打つ。

“ 壱馬、今日外来やよね？ ”

短い文字で、送信の飛行機マークを押すと、

すぐに既読がついた。

……起きてるの？

＿＿＿ﾋﾟｺﾝｯ

“ そうやけど、どしたん？こんな朝早くに。 ”

すぐに、返信を返す。

“ ちょっと、今日、喉の調子が悪いんよ。だから、伝えとこうと思ったんやけど ”

“ ん、分かった。念のため、午前診終わったら、診察室きてや？ ”

“ 分かった、ごめんね、こんな朝早くに。 ”

“ 気にすんな、もう起きるとこやったし。 ”

ありがとう、と書かれたハートを持ったクマのスタンプを、

送って、スマホを閉じた。

“ 診察 ”

小さい頃から、その２文字が苦手だった。

痛いことは何もないのに、今でも怖くて子供のように泣いてしまう。

壱馬は、そんな私を慰めてくれる１番の理解者だ。

テーブルに置いていた、ネームカードをとPHSをナース服のポケットに入れて、

仮眠スペースを出た。

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