びょういん。 (ページ28)

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北人「ん、じゃあ、この後、削ったとこに詰め物、詰めてくね。

. 痛くないから頑張れそう？」

「…うん、大丈夫………」

北人「よし、じゃあもうちょっとがんばるよ。」

椅子が倒れると、いつものように、上に少しだけ上がって、

頭の位置を合わせる。

北人「ん、じゃあお口開けて～。」

「あー……」

北人「じゃあ、この器具使うね。ちょっと尖ってるけど、

. 痛くないから、安心してね。」

「……(コクン」

北人先生はそれを合図に詰め物を詰め始めた。

北人先生の言った通り、尖ってたはずなのに、全然痛くなかった。

北人「大丈夫そう……？」

「……うん、大丈夫。」

北人「ん。」

数分経つと、北人先生は、風の出る機械をもった。

北人「ちょっと風さんで乾かすからね………」

ｼｭｯｼｭｯ……

北人「ちょっと、引っ張るよ～、綿入れるよ。」

さっきのように、口の端を引っ張って広げて、

歯と頬の粘膜の間に、綿を入れた。

いつもは、私の治療がひと段落したら、

どこか行っちゃうのに、今回はどこにも行かないで

バキュームで、唾を吸いながら、お話をしてくれた。

北人「Aちゃん、もう２年生だっけ？」

「うん、中学２年生。」

北人「何組になったの？

「んーと、３組。」

北人「３組？そうなんだー、先生の時は２つくらいしかなかったのになー。」

「４組まである………」

北人「４組まであるの！？すごいね、あ、そうだ、Aちゃんって

. どこの中学校？」

「上原中学校……って知ってますか？」

北人「あー、上原小からそのまま進学するとこか。知ってるよ笑」

「北人先生って、どこかに検診とか行ったりするんですか？」

北人「んーとね、去年は、朝陽中学校ってとこ行ったよ。今年はね、

. まだ、どこ行くか決まってないんだよね。壱馬は、上原小と

. 契約してるから、ずっとあそこだけどね。」

「契約！？」

北人「うん、契約。何か、校長先生に気に入られちゃったらしい。笑」

「そうなんだ………」

北人「…よし、そろそろ、ちょっと見てもいい？」

「……いいよ。」

そして、北人先生は、元の場所に戻った。

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