あ め ふ り さ ん ．

＃１ ページ2

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どのくらい歩いただろう。





ザーザーと私を打ちつける雨。





汚れた、白いＴシャツを着て、裸足で家を飛び出てきた。





足は、泥だらけ。露出した肌には、傷跡。





傷跡は雨のせいで、滲みる。





私は両親を知らない、顔も見たくない。





物心ついた時には、古いアパートの一室に閉じ込められていた。





だから、名前も、誕生日も、年齢も、何にも知らない。





私を閉じ込めて出て行った両親のことなんて知りたくないから。





なぜ生きていられるか、それは、１週間に１回、





誰かがドアのポストに、食料を入れていくから。





私はペットじゃないっつぅの。と思いながらも、ありがたくいただく。





閉じ込められているっていっても、鍵は中から開けられるし、鎖とかがついてるわけでもない。





動こうと思えば動けるし、食料を運んできてくれる誰かも見ようと思えば見れる。





ただ、私が怖がりなだけ。





もちろん、学校なんてのも行ってない。





ザーザーと降りしきる雨の中、私以外、歩いていない。





歩いている人がいないということは、誰かに見られる可能性も少ない。





だから、私は外を歩く。





歩いていると、ある公園に行きつく。





ブランコだけの小さな公園。そのブランコに、私は乗る。





足元には水たまりがあるから、足を浮かせて、ただその場に座るだけ。





そのまま、私は目を瞑った。








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