怖がらないで？〔Hokuto Yoshino〕

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Hokuto side



手術を終えて外に出ると、杏奈ちゃんが焦った様子でこちらに向かってきた。




杏奈「北人先生、大変です。Aが…倒れたって……まだ意識戻ってないって言ってて。」




北人「え…？それってホント？」




杏奈「さっき、翔吾から電話があって。」




北人「ごめん、ありがとう。」




手術の時に着替えた緑色のスクラブのまま、３０１号室へ向かった。




ーーーガラガラッ




北人「A………」




左手には点滴、右手には輸血、酸素マスクにたくさんの機械。




昨日、家に帰ってれば今日具合悪かったのわかったのかな………




いや……今日朝会ったのに気づかなかったな……




ーーーガラガラ




北人「翔吾………」




翔吾「原因は元からの貧血と高熱。栄養もあんまり取れてなかった。」




北人「なんで………」




翔吾「倒れてた時より数値は安定してきてるからすぐとは言えないけど植物状態には

.ならないと思うからあと１日、２日で目は覚ますと思うよ。」




北人「うん……ありがとう。」




翔吾「じゃあ、俺は戻るから。なんかあったら呼ぶけど、

. 北ちゃんはAちゃんのそばにいてあげて？」




北人「うん。……じゃあ、俺着替えてくるわ。」




翔吾「分かった。」




病室を一旦離れ、もともと着てた紺色のスクラブに着替え、自分のデスクスペースに戻る




Aのカルテから血液検査の結果を確認した。




さっき翔吾が言ってた “元からの貧血” っていうのに引っかかったんだよね。




血液検査の結果を見る限り確かに貧血ではあったけどでも、なにが原因かがわからなかった。




貧血の症状は、体の怠さと頭痛、目眩、動悸など。どの程度の貧血だったかは




本人から聞き出そう、そう思った。






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