オレンジタイム 2

職員室での出来事　1　ab編 ページ16

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「失礼しまーす。」

向井はそう言って職員室に入った。

「お、康二どうしたの？」

扉の近くに座っていた阿部が向井に気づき声をかける。

向井は嬉しそうに阿部の元に近寄った。

「なー、あべちゃんここええ？」

「先生つけような。
いいよ、おいで。」


阿部は自分の膝をポンポンと叩く。

向井は阿部の膝に座った。

先生の膝の上に生徒が座るといった異様な光景だったが誰も気に留めていない。

向井は職員室の常連で人の膝の上に座るのはよくあることだった。


向井は楽しそうにしている。


「康二、放課後にどうしたんだ？」

「友達待ってて暇なんよ。構ってや。」

「暇つぶしなの？」

「ダメ？」

小首をかしげて聞いてくる向井に阿部はダメージを受けているようだ。


「ぜんぜん大丈夫だよ。」

「そういえばあべちゃん先生が職員室で白衣って珍しくない？」

「あ、脱ぐの忘れてた。康二ちょっとゴメン。」


向井を膝から降ろすと阿部は白衣を脱いだ。

阿部は脱いだ白衣を向井がじっと見てることに気づいた。

「康二ひょっとして白衣着てみたいの？」

「おん。着てみてええ？」

向井にキラキラした目で見つめられた阿部は断ることなんてできるはずもなく白衣を差し出す。

「いいよ、俺が着てたやつで悪いけど。」

「やった！ありがとな。」


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