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「ヤバっ、ラウに触っちゃったんやけど!
てか、ホンマラウール綺麗で格好良くて同じ人間とは思えんわ。」

俺はサイン会が終わって家に帰っていた。


でも、ラウールを間近に見て握手したあとここに帰ってくるまでの記憶が正直ない。

たぶん、ラウールと握手した衝撃で舞い上がってしまったのだろう。


「無事家に帰り着いてよかったわ。

ラウールと握手できたしほんまに幸せやわ。」


身近でみたラウールは想像以上に凄かった。

写真と見劣りするなんてまったくなくむしろリアルの方がいいとかヤバい!!

スタイルが神で笑顔が可愛くてもう天使やて、あれは!


「でも、ぜんぜん喋れんかったなぁ。
ほんまは雑誌でラウールを見てファンになったことや、大好きなことやこれからも頑張って!とか言いたいことはいっぱいあったんやけどな。」


もう、ラウールを前にしたらあまりの神々しさに何も言えんかったわ。

手汗がびっしょりたったから洋服で拭いたけど大丈夫だったやろか?


「うわー、ラウール手汗で気持ち悪いとか思ったかもしれん。
あ、ラウールと握手したこの手洗えんわ!!」


自分の手に頬ずりしたあと、ハッと我に返って恥ずかしくなった。

「何やってるんやろ、俺。」




とにかく生ラウールはとってもよかった。

特に最後にふわりと笑ってくれたのだ。

あんな柔らかい笑顔、カメラがあったら反射的に撮ってたかもしれない。

俺は人はあまり撮らないけど、ラウールなら撮りたいって思ってしまった。

そんな機会はこないだろうけど・・・・。


ちょっと暗くなったけど、そんな高望みはしないで今日会えたことを心の支えに生きていこうと思った。


「プレゼント見てくれるといいなぁ。」

プレゼントはサイン会の前に置くところがあってそこに置いてきた。

他のみんなのプレゼントに紛れ込ませるように。


「名前書くべきだったやろか?
うーん、書いてもどうせ誰がわからんやろしええか。」

見てくれるだけで十分やもんな。



俺は幸せな気分のままその日は過ごした。













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作者名:まや | 作成日時:2024年2月18日 22時

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