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「え、なにそれ。」
ラウールの高音の笑い声。
ああ、インライとかで聞いたことある笑い声がすぐ近くで聞こえる。
しかも生！！
俺はその衝撃に軽く気が遠くなるが頑張ってこらえた。
「だって、推しが目の前におったら動揺するに決まってるやろ！」
何か言わなきゃと返した言葉に自爆したことに気付いた。
耳まで熱くなってきた。
本人目の前に推しとか言っちゃうなんて俺アホなん？
「え、推しって僕のこと？
やっぱりkojiさんはサイン会であった康二さんだよね？」
ラウールはものすごく楽しそうだ。
って、俺推しに認知してもらえてた？
まぁ、サイン会からそこまで日にち経ってないけど俺なんて覚えんへんやろって思ってた。
ヤバい、嬉しすぎるかもしれん。
「覚えてるん？
あ、じゃなくて覚えてるんですか？」
俺はタメ口使ってたことに気づいて敬語になおした。
「覚えてるに決まってるでしょ！
男の人康二さん１人だったし。
なんか印象的だったし。
あ、敬語じゃないほうが嬉しいな？
僕のほうが年下だし僕が敬語使うべきなのかも。」
あー、俺会場で浮いてたもんな・・・
印象的？年下の男に緊張している男が珍しかったんやろか？
「あ、俺にも敬語じゃないほうが嬉しいわ。」
ラウールに敬語使われるほど立場偉くないし。
「それで仕事は引き受けてくれるの？
僕ね、康二さんの写真暖かみがあって好きだよ。
僕を撮ったらどんな感じになるんだろって思ったんだよ。
だから、ぜひ受けてほしいな。」
ラウールからの懇願の眼差しに俺が耐えきれる訳がない。
でも、１つ気になったことがあったから聞いてみた。
「ラウールくんは、俺が君のファンだってわかってたから俺に仕事お願いしたん？
ファンが撮ったとか話題になりそうやし・・・」
「あ、ひょっとして僕が話題づくりの為お願いしたんだと思ってる？」
ラウールが悪戯っぽく笑った。
「やってそうでもなきゃ俺なんか指名せんやろ？」
「そもそも僕kojiさんがサイン会に来てくれた康二さんだって知らなかったよ。
だって写真集には何のメッセージも入ってなかったし、まぁ奥付の名前見て同じ名前の方いたなとは思ったけど、苗字は聞いてなかったし・・・。」
「えっ、あべちゃんに聞いたとかじゃないの？」
サイン会の時１人で目立ってたみたいやしあべちゃんも気づいたのかもしれん。
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作者名：まや | 作成日時：2024年2月18日 22時
