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「ふふ、康二さっきからキョロキョロしてるね。誰か探してるの？」
「あ、いやこういう撮影現場もの珍しくって・・・。」
あべちゃんがニヤニヤしている。
「どうせＲ探してるでしょ？
到着が遅れていてもう少ししたら着くみたいよ。」
「そうなんや・・・」
ホッとしたような残念のような・・・
って、どっちにしろ会うことには変わらないんだけども。
ドキドキしすぎてちょっと時間を置きたい気がしている。
「この辺見てきていいよ。来るまで少しかかりそうだから。」
「あ、タレントさんと一緒に来るんやろか？」
まだタレントさんには会ってないはず・・・・
「ははっ、まぁそういう感じかな。」
あべちゃんの含みがありそうな発言が気になったがここの様子も見たかったので素直に従うことにした。
「ちょっと行ってるな。Ｒさん着いたら教えてな！」
あべちゃんに手を振ると俺は周辺探索に勤しんだ。
しばらく探索していると携帯にあべちゃんから連絡があった。
遅れてたスタッフさんたちが到着したらしい。
俺は慌てて戻った。
現場の方を見ると遠くにえらくスタイルのいい人がいるのが見えた。
うわー、スゴイ！モデルさんなんやろか？
ラウール並やない？
そんな人俺が撮ってもええんやろか？
少し不安になりながらもＲさんどんな人やろかとドキドキしながら向かった。
俺が戻ってくるとあべちゃんが楽しそうに俺のもとにやってきた。
「康二、やっと戻ってきた。
Ｒさん紹介するね。」
あべちゃんはちょっと待っててと向こうに行くと誰かを連れてきた。
「え、えぇえーーー！」
その姿を見て俺は叫ばずにいられなかった。
だって、そこにいたのは俺の推しだったから。
ヤバい、俺は夢を見ているのかもしれない。
さすがラウ夢の中でも圧倒的存在感
もう美しいわ、可愛いわ！
なんやろう俺の貧弱な誉め言葉じゃ足らんわ！！
しかも推しが俺に向かって微笑んでしかも俺の名前呼んでるなんてありえない！
「kojiさん、kojiさん」
「康二、なにほおけてるの？しっかりして。」
え、俺本当に呼ばれてる？
ラウールには心配そうな顔をされつつ、あべちゃんには呼ばれた上に揺さぶられている。
「え、これ現実なん？夢やないの？」
何度まぶたを擦ってもラウールは消えない。
そんな俺を見てラウールはくすりと笑って言った。
「kojiさん、僕がＲです。」
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作者名：まや | 作成日時：2024年2月18日 22時
