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その後ラウールについて調べた。
さっきまで悲しい気持ちで一杯だったのにそんなことすっかり忘れてた。
ラウールはもうその頃には売れっ子でテレビや雑誌で見かけなかった日はないはずなのに、今まで目に入らなかったのが嘘みたいにその日から目に入るようになった。
俺がラウールを追っかけてしまっているのだろう。
あんなスタイルよくてカッコいいのに、ふと可愛いとこを見せるのがズルい。
天真爛漫かと思えば、意外と黒いところもあって俺はすっかり嵌ってしまった。
そんなこんなで今に至るというわけだ。
今日はインライがあるとのことだったのでバイトを休んでスタンバっていたのだ。
画面ではラウールが楽しそうに話している。
「マジかわええ。癒されるわ。」
俺はいつもラウールに見入ってしまって毎回始まる前は今日こそコメントするぞと意気込むのだが画面見ながらニタニタしているうちに配信が終わってしまうのだ。
『ジャジャーン、お知らせがあります！
僕の写真集が出ることはみんな知ってるよね？』
ラウールの問いにコメント欄が賑わう。
「もちろんやで！予約もしたし」
俺と同じようなファンも多くてコメント欄ではもちろん！！や絶対買います！！等などのコメントが流れている。
『ありがとー！
でね、サイン会します！！みんなにっていうのは難しいから抽選になっちゃうんだけど。』
ラウールが嬉しそうに笑った後、ちょっとだけ申し訳ない顔をした。
「マジかー！！！ってことは会えるん？」
抽選に当たったらやけども。
ラウールは売れっ子だからみんなにというのは無理だろう。
それでも俺は嬉しかった。
生でラウールに会えるかもしれないんだから。
コメント欄は急な発表に大賑わいだ。
俺は一呼吸した後初めての書き込みをした。
『絶対行きます！！』
写真集に１枚応募券がついているらしい。
何冊買ったら会えるんやろか？
バイト代をつぎ込む決心をした俺だった。
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作者名：まや | 作成日時：2024年2月18日 22時
