犬じゃなくても拾われることもある 1 ページ48
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「何なん、最悪や。これからどうしよ····」
俺は途方にくれていた。
俺の名前は向井康二。
最近東京に引っ越してきた関西人や。
ホントは関西支店で働いていたんだけど、本店に呼ばれてこっちに来た。
本店やし、華の東京やし俺はきっと楽しいが一杯なはずやと浮かれていた。
でもある日、会社に行ったらシャッターが降りていてそこに貼り紙があった。
そこにはこの会社が倒産したことが書いてあった。
多少の補償は出るらしいがしばらくかかるらしい。
俺は目の前が真っ暗になった気がした。
大阪の支店に連絡してみたが連絡はつかなかった。
でも、恐ろしいことに不幸はここから続くのだった。
その日はひとまずうちに帰った。
働くとこを見つけないとなとそんなことをかんがえていた。
夕方、喉が乾いて冷蔵庫を見たら何も飲むものがなくて近くのコンビニに買いに行って帰って来たらアパートが燃えていた。
俺は飲み物買うだけだったから、携帯と家の鍵ぐらいしか持って出なかったのだ。
財布すら持って行ってなかった俺はほぼ一文無しになってしまった。
しかも携帯のアプリにチャージしていたお金はもうほぼない。
大家さんに掛け合ってみたが、今すぐどうこうはできないとのことだった。
八方塞がりだ。
俺は唖然としたまま近くの公園のベンチに座っていた。
どうしたらいいんやろ。
今晩寝るとこさえない。
最近越して来た俺には東京の知り合いなんていないし、地元に帰るお金もない。
実家に電話しようと思ったけど充電もきれかけている。
あまりにもついてなさすぎてなけてくる。
「あかん、泣いても何も解決しないのに。」
溢れ出てきた涙が止まらない。
しばらく泣き続けたらお腹がすいた。
コンビニで飲み物と一緒に買ったおにぎりを食べた。
「これが最後の食事になるんやろか?
もし、俺が犬とかなら拾ってもらえたんやろか?」
俺がでかいダンボールに入って、拾ってくださいと書いた紙を持っている姿を想像してしまった。
「どう考えても誰も拾ってくれなさそうや。
どうすればええんやろ。」
考えれば考えるほど悪い想像しかできない。
悲しくなってきてまた涙が溢れてきた。
最初は声を殺していたのだがもうどうでもよくなって盛大に声を上げた。
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まや(プロフ) - YUKIさん» コメントありがとうです。はーい、次新しい話書く時にでもまた作ろうと思ってます!がんばりまーす♪ (9月23日 21時) (レス) id: c3465cba05 (このIDを非表示/違反報告)
YUKI(プロフ) - 短編集、めっちゃ楽しみにしてますね🎵笑 (9月23日 20時) (レス) id: ee9071f647 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - ゆいさん» シュチュにあまり添えてないかなと心配してたのですが可愛いと言っていただきよかったです(*^^*)こちらこそリクエストしていただきありがとうございました! (8月28日 21時) (レス) id: c3465cba05 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - リクエスト応えて頂きありがとうございました! 甘々ラブラブなのに無自覚ないわこじ可愛くて笑 ありがとうございました! (8月28日 8時) (レス) @page37 id: c6e2fc15fc (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - ゆいさん» 遅くなりましたがリク仕上がりましたー!遅くなったのでここで報告してみたりwww (8月27日 22時) (レス) id: 3bd2d23b1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まや | 作成日時:2023年7月23日 15時