2 ページ39
.
「ここ、いい?」
「あ、空いてますよ。」
さっきの彼だと思われる彼の横に座った。
「えっ、渡辺くん? なんで?」
ろくに見ずに答えたのだろう、俺のことに気づくとびっくりした声をあげた。
さっきとは違い、目を隠すよう降ろしている前髪をあげてみる。
あの時見た、奇麗に澄んだ瞳。
同じ講義をとっていたのか。だからこいつは知っていたんだ。
「っ・・、何するんや。」
彼は慌てて髪の毛をもとに戻した。
あまりにビックリしすぎて最初声が出なかったらしい。
「なんで髪の毛で目隠してるの?奇麗な目してるのに。」
「お、俺人見知りが酷くて人の目見て喋るの苦手だから・・・。
髪の毛あると少し隠れるから落ち着くんだ。」
あれ、関西弁じゃない?
しどろもどろな喋り方。
なるほど人見知り発揮しちゃっているというわけか。
「でも、さっきは普通にしゃべってた。
もともとは関西弁だよな?」
「あ、カメラ持っていると落ち着くから結構普通にしゃべれるんだ。
関西弁は目立つから・・・。」
また、目を隠してる前髪をさっき会った時のように横に流してやった。
耳まで真っ赤になる彼。
「わ、渡辺くんはどうしてここに?
他の人たちと座らないの?」
「別にあいつらが勝手に座ってくるだけで一緒に座りたいとか思ってない。」
毎度勝手に俺の横に座りたがる奴らがいて男女ともに。
断るのも面倒だから勝手にしてもらっている。
「なんで俺の隣に?」
「うーん、康二に興味がわいたから?」
彼はびっくりした顔をしている。
「名前、向井康二であってるよな?」
もしや名前間違ってたか?
「いや、あってるよ。俺のこと知っているとは思わなかったから。」
「あー、ゴメン。さっき他の奴に聞いた。
俺の名前は知っているよな?」
「知ってる。渡辺くん有名だもん。」
「あー、悪名ね。」
俺ははっきり言ってモテる。女が勝手に寄ってくる。
特に付き合っている奴がいないときは、告白されても断らない。
「そうじゃないよ。渡辺くんカッコいいから。」
キラキラした目で俺を見て言った。
「渡辺くんってやめねぇ。俺康二って呼ぶから翔太でいい。」
「呼び捨てはちょっと・・・。翔太くんでいいかな?」
上目づかいで聞かれたらそれでいいと答えるしかない。
「いいよ。そのかわり連絡先教えて。」
自分からこんなふうに聞くの初めてかも。
.
300人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まや(プロフ) - YUKIさん» コメントありがとうです。はーい、次新しい話書く時にでもまた作ろうと思ってます!がんばりまーす♪ (9月23日 21時) (レス) id: c3465cba05 (このIDを非表示/違反報告)
YUKI(プロフ) - 短編集、めっちゃ楽しみにしてますね🎵笑 (9月23日 20時) (レス) id: ee9071f647 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - ゆいさん» シュチュにあまり添えてないかなと心配してたのですが可愛いと言っていただきよかったです(*^^*)こちらこそリクエストしていただきありがとうございました! (8月28日 21時) (レス) id: c3465cba05 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - リクエスト応えて頂きありがとうございました! 甘々ラブラブなのに無自覚ないわこじ可愛くて笑 ありがとうございました! (8月28日 8時) (レス) @page37 id: c6e2fc15fc (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - ゆいさん» 遅くなりましたがリク仕上がりましたー!遅くなったのでここで報告してみたりwww (8月27日 22時) (レス) id: 3bd2d23b1f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まや | 作成日時:2023年7月23日 15時