sweet orange

Suggestion 　skkj　　1 ページ32

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「最近康二、よく佐久間見てるよね？」


あべちゃんにそう言われた。


「そう？そんなことないと思うんやけどな。」


ドキッとした。

自分でも気付いていた。


「うーん、結構見てると思うけど気のせいかな？」


あべちゃんがニヤリと笑って言った。


「なんなん、その顔は。」


「さあ、なんでしょう？まあ、何か話したいこととかできたら言ってよ。相談のるから。」


あべちゃんは言いたいことだけ言ってあっちに行ってしまった。





「気付かれるなんてよっぽど俺見てるんやろか。」


ため息が出る。

やっぱり俺はさっくんが好きなのかもしれない。











俺がその事に気付いたのはちょっと前。



最近さっくんにかわいいと言われると嬉しいというか顔が赤くなる現象が起こっていたのだ。


さっくんは思ったことをすぐ口にするタイプだから俺以外にもよくかわいいとか言ったりする。

でも、他の人に言うかわいいはなんだか気にくわないのだ。


スキンシップも激しいからよく俺にも抱きついてくる。

前まではなんとも思ってなかったのだ。

抱きついてこられたら、俺からも抱きつく。

そのくらいしか考えてなかった。



でも、この頃は照れてしまう。


心臓がものすごくドキドキしてしまう。

気付かれちゃうんじゃないってくらい。



なんとかなんでもないふうに装ってるけど、気付かれるんじゃないかと心配になってしまう。


だから、自分からはあまりさっくんにくっついてない。


他の人には抱きつかれようと、抱きつこうとなんとも思わないのに。






でも、何でこんなふうになってしまったんやろう？


さっくんは、ダンスも上手いしどんなことも先頭にたってやってくれるし周りにも気遣いもできていい男なのは前から知っていた。


でも、そこから恋愛感情になるなんて思ってなかった。



自分でも気付かないうちにそっちの方向に気持ちが転換してしまったんやろか？





ふと、顔をあげてみるとさっくんが目に入った。

最近、やたらと目にはいる。

まるで恋してる乙女みたいや。



そんなこと考えつつ、ぼーとさっくんを見てたら目があった。

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