雲が聴くのは月の歌 part３ (ページ9)

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心当たりページ9

雲雀 side

僕は彼女を抱え、保健室へ向かう。

腕の中の彼女は乱れた呼吸を繰り返している。

腕から伝わる彼女の熱は高く、苦しそうな
表情から熱にうかされているのがわかる。

僕は少し早足で保健室へ到着すると、
扉を開けて中へ入った。

保健室の中には誰もおらず、静かだった。

一体、ここの保険医はどこへ行ったのか。

僕はベットに近づくとゆっくり彼女を降ろす。

　雲「・・・・。」

　「っ・・・・。」

彼女の顔色を伺えば、額には汗が滲み目元から頬へ
かけて赤く熱を帯びていた。

少し、熱を冷ましてやる必要がありそうだ。

僕は部屋の中を探しまわり、洗面器とタオルを
見つけると部屋の中に設置されていた冷蔵庫から氷を
取り出し、水を張った洗面器へ投入する。

その中にタオルを沈めれば冷えた水タオルができた。

　雲「・・・。」

僕は固く絞ったタオルで彼女の顔周りの汗を拭いて、
そのまま額にタオルを乗せてやった。

しばらくすると熱が下がってきたのか彼女の表情は
少し和らいだように見えた。

僕は彼女の寝るベットの隣に椅子を置き座ると、
寝ている彼女を見つめる。

　雲「・・・。」

彼女を見つめながら思い出すのは先ほどの事だ。

獄寺隼人。

僕が問いかけると何も言えなくなっていた。

きっと心当たりがあったのだろう。