雲が聴くのは月の歌 part３ (ページ7)

今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:78,713 hit

問いかけページ7

雲「・・・いつまで群れてるの。噛み殺すよ。」

　獄「！！！」

　全「！！！！

僕は取り囲んでいた生徒に殺気を出しながら
睨みつける。

すると、生徒達は蜘蛛の子を散らすように
離れて行った。

しかし、

その場に残っている人物が１人。

それは獄寺隼人、彼１人だけ。

　雲「・・・君、彼女の何。」

　獄「っ！」

僕は心配そうな表情で彼女を見つめる彼に
そう質問する。

すると彼は少し驚いた表情をしながらこちらを見た。

僕がこんな質問をするとは思って居なかったのだろう。

　獄「Aは・・・俺の大切な・・・幼馴染だ。」

彼はそう言うと僕を睨む。

彼が彼女の事であんなに怒っていたのは
そういう理由かららしい。

しかし・・・

　雲「・・・君、本当に彼女の事大切なの。」

　獄「！？」

僕は彼に問う。

　雲「・・・僕には彼女を大切にしているように見えないんだけど。」

　獄「っ！？」

僕がそう言うと彼は驚き固まる。

　雲「さっきの話もそうだけど。君、彼女の話。ちゃんと聞いてるの。」

　獄「！！！」

僕は彼を睨みつけながら質問した。

彼は黙ったままだ。

　雲「・・・彼女、声出ないんでしょ。」

　獄「・・・。」

　雲「ただでさえ言いたい事が言えないのに、話を聞こうとしないヤツの所に一緒に居たいと思うヤツはいない。」

　獄「っ・・・・。」

そう言うと僕は彼の横を彼女を抱えて通り過ぎる。

　雲「・・・君に彼女を心配する資格は無いよ。」

僕は最後にそう言い残すと廊下に立ち尽くす
彼を置いて、保健室へ向かった。