雲が聴くのは月の歌 part３ (ページ11)

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心の叫びページ11

　「・・・・。」

　雲「・・・・。」

彼女を見つめていたら、彼女の口が動く。

また、何か話しているようだ。

僕は彼女の口の動きを読み取る。

熱に浮かされながら無意識で話す彼女の言葉。

声が出せない彼女のその言葉は彼女がいつも
抱えている心の叫びだと思った。

　雲「・・・・。」

彼女の口の動きはこの前見た動きと同じだった。

しかし、

今回はこの前よりも動きがはっきりとしていたので、
母音がちゃんとわかる。

彼女は「い・い・あ・い」と告げていた。

僕は彼女を見ながら考える。

　雲「・・・・。」

僕は当てはまりそうな単語を思い浮かべたが
キリが無かった。

行動や状況を理解した状態ならば色々と絞り込め
そうだが、眠った状態で何の反応も無い彼女の考えなど
僕には分からなかった。

　雲「・・・。」

　「・・・・。」

保健室には小さな寝息が響いている。

そんな中で僕は、時々何かを喋りながら眠る彼女を
しばらくの間、見守り続けた。