雲が聴くのは月の歌 (ページ39)

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転校生ページ39

雲雀 side

僕は応接室の窓から外を眺める。

今日は雨だ。

朝から雨が降っていて、
校庭には水溜まりが出来ている。

僕はそんな景色を眺めながら静かに
雨の音を聞く。

　草「委員長・・・。」

窓の外を眺めていると応接室に
副委員長が入って来た。
彼は僕に話しかける。

　雲「・・・何だい。」

　草「それが・・・またあの三年が授業に出ていないとの報告を受けまして・・・。」

副委員長は名簿リストを確認しながら僕に報告する。

あの三年とはこの前、僕が裏庭で咬み殺した
不良の事だ。

授業に出ていないという事は再び校内で
タバコでも吸っているのかもしれない。

僕は副委員長の報告を聞くとゆっくり立ち上がる。

　草「・・・見回りですか。」

　雲「そうだね。ついでにその三年も咬み殺して来るよ。」

僕はそう言うと応接室を出る。

丁度、いつもの見回りの時間でもあるので
ついでに咬み殺しておこうと考える。

前に僕に咬み殺されているのに再びこんな事を
するなんて。いい度胸だ。

　雲「・・・。」

良い度胸で思い出したが、あの転校生。
今日はどこに居るだろうか。

僕はそんな事を思いながら階段を下りる。

そう。ちょうどこの場所。

僕は階段の途中で立ち止まる。

僕が初めてあの転校生と出会った場所だ。

あの時の彼女は泣いていた。
その理由は知らない。聞いてないから。

それに、そんな事僕には関係ない。

僕は再び階段を降り始める。