中庭 ページ30
雲雀 side
僕は校内を見回っていた。
すでに時刻は夜７時。
遅くまで残っていた野球部も下校し、
校内は静まり返っている。
そんな静かな校内を僕は見回りをしながら
歩いていた。
本来であれば教員がやる仕事だが、
ここは僕の学校だ。
不法侵入者が居れば咬み殺す。
残っている生徒が居ても咬み殺す。
それが僕の一日最後の仕事。
雲「・・・？」
そんな事を思いながら歩いていると窓の外に
誰かが居るのが見えた。
よく見れば、そこは中庭。
木の下に誰かが座っている。
こんな時間まで校内に残っているのは校則違反だ。
校則違反者は僕に咬み殺される運命だ。
僕は学ランを翻しその中庭へ向かう。
雲「・・・・。」
そこに居たのは女子生徒だった。
こんな真っ暗な中庭で１人座り込んでいる。
僕はゆっくりその生徒へ近づく。
雲「君。ここで何してるの。」
「！！」
僕がその生徒に話しかけるとその生徒は
驚きの表情を浮かべながらこちらを見た。
雲「・・・。」
「・・・。」
こちらを向いたその顔は見覚えがあった。
そう。昼間に階段で受け止めたあの生徒だった。
その生徒はこちらを驚いた表情で見つめている。
雲「・・・君、もしかして転校生かい。」
「！」
僕は固まったまま動かない彼女に話しかける。
昼間に会った時も思ったのだが、見ない顔だ。
近々転校生が来ると言う話を聞いていたので
もしかしたらその転校生なのでは無いかと思ったのだ。
僕が話しかけると彼女は静かに頷いた。
雲「こんな時間まで校内に残っているのは校則違反だ。」
「・・・。」
僕はそう言いながらトンファーを構える。
転校生だろうと、なんだろうと、校則違反者は
僕に咬み殺される運命。
僕は彼女に向かって殺気を出す。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年10月29日 16時
