捜索 ページ21
Aside
「・・・。」
私は今、一階の廊下に来ていた。
昨日マーモンの猫の目撃があった場所だ。
廊下を歩きながら入れる部屋を片っ端から探していく。
棚の上、
カーテンの後ろ、
ソファーの上、
ベットの下・・・
部屋の様々な所を探していく。
しかし、
一階には居ないようだ。
「・・・。」
同じように、二階三階と探すが、いまだに猫は
見つからない。
すでに数時間探しているが・・・
時計の針は丁度お昼を示している。
「・・・。」
もう午後になるのだが、猫の姿を一度も見ていない。
本当にまだ城の中に居るのだろうか？
そんな疑問が頭に浮かんだその時。
「！」
私が歩いている廊下の前方、曲がり角を歩いていく
黒猫の姿を発見した。
私は走って後を追う。
見失う訳にはいかない。
スクアーロもいつ帰ってくるのか分からないので
早く捕まえておかなければ・・・。
「・・・・。」
猫が曲がった廊下を覗くと、扉が少し開いている
部屋があった。
あの部屋に入ったのだろうか。
私は足音を立てないように慎重に近づく。
「・・・。」
扉の前まで来て気が付く。
ここ、
ボスの部屋だ・・・。
私がここへ初めて来た日以来、ここには近づいては
いない・・・。
私自身がボスに用事があるわけでもなく、仕事も
雑用ばかりで、用事があってもスクアーロに報告する
だけで済むからだ。
「・・・。」
どうしようか。
たぶん猫はこの中だ。
「・・・。」
恐る恐る部屋を覗いてみる。
やはりボスはまだ帰っていないようだ。
今のうちに猫を回収してしまうか・・・。
私はゆっくりと扉を開け
ボスの部屋に入り込んだ。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月20日 13時
