夜空を見上げる鮫と月 (ページ13)

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飛ぶナイフページ13

ス「うるせぇぇ！毎回毎回どう考えてもクソ王子がわりぃだろぉお！！」

　べ「うわー王子に向かってクソとか。マジムカつくんだけど？死ねっ！！」

　ヒュンッ！・・・ヒュン！！

ルッスーリアの制止にも関わらず、二人の喧嘩は
止まらない。

ベルは持っていたナイフとフォークを怒りに任せて
スクアーロに投げ飛ばす。

　ス「フンっ！！当たるわきゃねぇーぞぉ！！」

　キンッ！・・・カキンッ！

スクアーロは自分の剣で飛んできたナイフとフォークを
次々と弾き飛ばす。

なかなかスクアーロに当たらないのでベルは痺れを
切らしたのか自分のナイフまで取り出し、大量に
スクアーロに向かって投げ飛ばしだした。

　ヒュンッ・・ヒュン・・カキンッ！！

　ス・べ「！？？」

その時。

スクアーロが弾き落としていたナイフの1つが剣に当たり
ナイフの飛んでいく向きが変わったようだ。

「・・・。」

真っすぐ私に向かって飛んでくる。

　ス「チッ！！う゛ぉぉおおい！！」
　

　べ「ゲッ？！！」

　レ・ル・マ「！？」

いち早く反応したスクアーロが私に向かって叫んだ。

　ガキィンッッ！！

皆が息を飲み静かになった部屋に、金属のぶつかり合う
音が響く。

私は今まで使っていたナイフとフォークを使って
ベルのナイフを受け止めた。

　「・・・。」

　全「！！！？」

まさか受け止めるとは思っていなかったのか、
皆の視線が自分に集まる。

　ル「ちょ・・ちょっと！ちょっと！二人ともなにやってるのよ！！Aちゃん大丈夫！？」

「・・・。」

静かだった部屋にルッスーリアの声が響き、心配そうに
私に近づく。

私は黙ったままだったが、ルッスーリアの声に頷くと、
ルッスーリアはほっとしたようだった。

「・・・。」

ベ「・・・！」

私は受け止めたナイフを持つと席を立ち、
ベルに向かって近づいた。

他のみんなが少し心配そうに様子を見ている。

　「・・・。」

　べ「・・・。」

私は持っていたナイフをベルに差し出すと、
ベルは無言でそれを受け取った。

　「・・・言った通りだった。」

　全「！！？」

私の一言で全員の表情が驚きに変わった。

確かにここまで私は一言も話さなかったが、
そんなに驚く事だろうか。

　べ「・・・しししっ。王子の忠告は正しかったろ？」

そんな驚きに包まれた中、

ベルはニヤリと楽しそうに笑った。