【ONEPIECE】temptation of love (ページ20)

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＊storyfiftynine＊ページ20

ある小さな檻の中に、少女がいました。

少女のそばにはクマの人形がありました。

人形はずっと少女と一緒にいました。

人形は少女のお気に入りでした。

毎日少女のそばに居続けました。

どんなにボロボロになっても、

人形はどんなことをされても抵抗はしませんでした。

クマは何も言いませんでした。

ただ、ずっと炎の中で燃やされ続けました。

ポトッと片割れの腕が暖炉から落ちる。

燃やされていく身体。

顔が焼けただれてゆく中

ぼんやりと見えたのは

「やめてよ」と叫びながら泣いている少女と
腹を抱えて笑っている数人の政府の人間でした。

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船の欠片にしがみつき爆発している船を見つめる。

キッドの船から持ち出した宝と、ドフィのオークション会場から持ち出した金。

合わせて数億には上ると思う。

だが計画は失敗し、財宝の金は半分以上燃え尽きてしまった。

持っているのは数万ほどの金。
そして、きれいに輝くピアス。

ホント、私の唯一の癒し。

何人もの人形を捨ててきただろう。
何人もの人形を殺してきただろう。

それも快楽になる。

目の前で消えていくあの“クマ”のように
抵抗もなく消えていく。

『愛してる』という言葉を掲げ、主人の私に忠実に従う男たち。

愛してるという言葉を身体で表す男達。

でもそんなのじゃ足りないの。

身体に這う誰かの舌の感覚でもない、
どこか身体の奥深くに突き上げる感覚でもない、

私の刺激は財宝だけ。

これからも、

ずっとこのまま。

私のことを分かってくれる人なんて存在しないんだから。

誰も私のことを理解しようとしないのだから。