任務の本質 ページ33
品所属室に戻ってきた私とレイさん。
それぞれ個室に戻ろうとしたとき、レイさんから話があるといい部屋に来ていた。
椅子に座るレイさんは黙り込んでいる。
私は立ったまま、朝方買ったペットボトルのジュースを口に運ぶ。
その様子を見ていたレイさんは、顔を上げて口を開く。
「みく、さっきのエミカ主員を見てどう思った？」
「‥え？」
ペットボトルを口から離し、顔を上げてレイさん見た。
「怖かったんじゃないか？
今回の任務は殺しじゃないし、ロイをエミカさんに渡すだけの簡単な任務だ」
「…何が言いたいんですか？」
「エミカ主員は任務の上で必要だからやってる。
ミクもそれを分かるはずだ……怖いと思っても、それは任務をする上で失くした方がいい。
それぐらいの覚悟を持て！」
「…分かっていますっ」
「本当か？」
レイさんは椅子から立ち上がって、おでこが触れるぐらいの距離まで顔が接近する。
私は後退りすると、後ろにゴミ箱があることに気づかずに足元をぶつかり転ぶ。
尻餅をつきながら、起き上がろうとすると手を掴んで起き上がらせてくれたレイさん。
「イテテ…あ、ありがとうございます」
「大丈夫か？」
「はい」
それを聞くとまた顔を近くまでよせてくるレイさん。
今度は手でレイさんの肩を押して距離を取る。
「あの、さっきからなんで近づくんですか？」
私は少しビビリながら少し小声でそう尋ねると、驚いた顔で私を見るレイさん。
その瞬間、私は何か不安な気持ちになる。
「ミク、知らないのか！？」
意味が分からず、ぼっーとレイさんの顔を見る。
「ここに入隊した時に、私は先輩から教えられたぞ！
これは調和メンバーしかできない技‥とな」
「そんな話‥私は聞いたことありませんよ？」
それを聞くと、深刻そうな顔つきになるレイさん。
「確かミクに最初に会った時…エミカ主員がお前のこと教え始めてたよな？」
「はい、そうですけど…でも、それをなんで…」
「やっぱりか…」
何かを納得し始めるレイ。
私は尋ねる。
すると、ドアの鍵を閉める。
「これから話すことは絶対、誰にも言うな！」
「え？は、はい‥」
何故かしゃがむように言われて、そうすると今度はデスクの引き出しから紙を取り出す。
紙を見せるとそこには「今から私の書いたことだけを見ろ！声を出すな！」と書いてあった。
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作者名：マヤさん | 作成日時：2023年6月12日 9時
