名探偵コナン何でもアリっ子！ (ページ27)

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信頼は強くて弱いページ27

近くで見ていた女は急いでフクコに駆け寄る。

「大丈夫ですか、フクコさん？
あなたね、ちゃんと……っ、ミク！」

女は慌てて私を見て釈変する。
フクコもそれに気づいて、私を見て驚く。

「ミクちゃんごめんね、大丈夫だった？」

「はい、大丈夫です。
フクコさんも大丈夫ですか？」

「ええ、ありがとう！」

私はフクコを起き上がらせると、さっきの話について尋ねてみた。

「あの、はなし聞こえてきたんですけど‥エミカ主員と何かあったんですか？」

「‥聞いてたの？」

「はい」

「‥‥‥まぁ、言わないと約束してくれるなら、話したあげる」

「誰にも言いません！」

「…同期で入った私とエミカはまだ16歳だった。
所属は1番低い下所属だった‥任務も遂行するのがやっとで、あの頃はもう人間関係のトラブルが酷かった。
それでも上に認められ、なんとか一年で当時の最年少を記録し、中所属からは期待の新人として任務の内容もやっと一人でできる、ちゃんとした任務が回ってくるようになった」

「‥」

私は静かに話を聞く。

「それで上手くいってた…でも、それも長く続かなかった。半年ほど過ぎた頃、その最年少記録を破り、中所属にマイという新人が入ってきた。
私たちは彼女より先に行こうと、任務を多くこなし続けた。でも、彼女は最年少で品所属の成属員へ、そして主員にまで上り詰めた。その頃の私たちは、それぞれ突き進む道が変わってた。エミカは主員を目指すために潜入調査を幾度となく繰り返した」

「そんな過去があっただなんて‥」

「この話にはまだ続きがある。
24年前のあの日‥私の家に、ずぶ濡れになって足から血を流してるエミカが来た。
話を聞いてみると、任務失敗で逃げ遅れて敵に足を撃たれたの。幸い、試作品として調和が独自開発した医療キットを持っていたから治せたけど。
治療中、エミカに聞いたわ‥"なんでここまでするの？"。
そしたらエミカは…"マイに先越されて悔しいからに決まってるでしょ！"って言ったわ。
そう、エミカは親友よりライバルを選んだの。
だから、私がここを辞めるなんて言っても、気にしないわ。だって‥今もエミカはマイのことを見てる。
それに、ここは私のような燃え尽きた者がいられるような場所じゃいちゃいけないのよ…」

そういうと、フクコは去って行く。
近くにいた女もついていく。

私は黙って背中を見てるしか出来なかった。