サウナ殺人事件�� ページ17
「く、久山さん…」
弱った声で佐藤は心配そうに私を見つめる。
「大丈夫です…もう犯人はわかりました！
あとは任せて、休んでいてください」
そういうと、容疑者たちを連れて犯行現場のサウナの前にきた。
「犯人がわかったって、殺人だったのね」
「はい、そして犯人はこの中にいます」
それを聞くと、容疑者たちは驚く。
「ここに犯人がいるってなんでわかんだ？」
「それは、元々ここにくる前からわかってました。
なぜなら事件が起きたのは、会員制のスポーツクラブ。
こんなところでまず自〇しようなんて考えるとは思えない。それでも自〇すると言うのなら、わざわざ凶器を隠したりはしないんですよ‥」
「その凶器ってなんなのよ？」
「これです…」
小さな袋の中に入ってる細い針。
「この針はサウナの中に、落ちていました。
しかも、木の隙間と隙間はわずか数ミリ程度‥
この針は、毒針で痛みもわからないほど、細い針です。
これで被害者がサウナに入ってる時に刺せば、血流のよくなった状態で毒はすぐに回り、心臓麻痺で倒れます。
これがトリックです」
「それより誰なのよ犯人！この中にいるんでしょう？」
それを聞くと笑みを浮かべる私。
「はい。犯人はあなたです」
そういうと、男を指差す。
「あんたが犯人！？」
「俺じゃねーよ！」
「ひっ！！」
女二人は男から離れる。
「証拠はあんのかよ！それもないのに、俺が犯人とか決めつけんな！！」
「ありますよ‥証拠はこれです」
そう言うと、小さな指環の入った袋。
「これは、あなたの指輪ですね？
指紋鑑定すれば、貴方が犯人という証拠になります」
男は崩れ落ちて、泣き出す。
「‥くっそ！こんなはずなかったんだ、俺は！」
「なぜ、殺人場所をここにしたんですか？」
「俺が経営していた会社を真似てあいつが新しく作った会社に、俺の会社は乗っ取られたんだ。あいつは、俺のことを雇ってやると見下した！俺は、それが許せなかった！」
「見下してなんかいませんよ‥。
それはおそらく、貴方が無職になると思ってそうさせないために雇うと言ったんですよ」
「そ、そんな…俺は、あいつに助けられてたのか！？
くっそー！」
事件は無事解決し、容疑が晴れた二人も事情聴取を受け終えて帰っていった。眠ったまま起きない佐藤さんは、仕方なく私が車で警視庁まで送っていく。
「‥ふわぁ〜！疲れたー！」
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作者名：マヤさん | 作成日時：2023年6月12日 9時
