サウナ殺人事件�� ページ16
気分が悪い中、ゆっくり歩いて現場へ向かう私。
事件が起きたのは、会員制の高級スポーツクラブ。
エレベーターで着くと、早速サウナ独特の香りがしてきた。規制線を超えて通ると、佐藤刑事がいた。
「すみません、遅くなりました」
「大丈夫？」
「はい、もうだいぶ良くなりました」
話していると、横から入ってくる男。
「おい、刑事さん‥さっさと事件解決してくれよ！」
「そうよ！私、子供のお迎えがあるのよ！」
「殺人じゃなくて、自〇なんじゃないですか？」
女二人組も入ってきてそう言う。
佐藤に事件のことを聞くと、現場のサウナを見にいく。
ガチャッ
「まあ、熱いわけないか…」
テープで白く引かれた遺体の形。
そのそばには、木の濡れた跡。
そして小さな針が落ちていた。
白い手袋をはめると、それを拾う。
(針か‥‥)
回想
1年前、匿名人とリビング話す。
「へぇー、色々任務やってるんだ‥大変だねー」
「そうよ！私のプライドと精神がズタズタ！！」
それを聞くと、笑う匿名人。
「…そんなに忙しいなら、殺しちゃえばいいのにー」
「こーわ！そんなことしたら、私が殺されちゃうって！」
「ううん、バレないようにすればいけるかもよ？
細い毒針で刺せば、痛みなく、心臓発作で死ぬ。
確か、裏サイトで売ってたよ？」
「ちょっとガチで言ってる？やめてよ…そんな冗談は‥」
「なーんて、嘘だよ！！」
「もー！マジで驚いたじゃん」
ふと思い出していると、笑ってしまう。
「…フフッ、懐かしいな」
(ありがとう…あんたのおかげで今、分かったよ！」
佐藤のところに戻ると、容疑者達のヒートアップは止まらなかった。佐藤も容疑者たちに時間をとられて、事件の調査まで対応できてないようだった。
「く、久山さん…！」
佐藤はヨロヨロ歩いてくると、私にそのまま重くずっしりのしかかってきた。
「佐藤さん、大丈夫ですか！？」
「ちょっと話してる途中、抜け出さないでよ！」
「俺たちの話聞けよ！」
この状況でも気にせず言い続けてくる容疑者たち。
私は佐藤さんの今にも倒れそうな姿をもう一度見る。
「皆さん、落ち着いてください！！
犯人にとってそのヒートアップは思うツボです。
そうすれば、自分のやった事件の存在は薄れ、他のところに目もいきます。
だから皆さん、とりあえず落ち着いてください！」
みんなを静ませると、今度は佐藤さんを椅子に座らせる。
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作者名：マヤさん | 作成日時：2023年6月12日 9時
