と ページ8
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アイツと過ごすようになってから一度目……二度目の冬だな。昔にも一度だけ一緒に冬にイルミネーションを見たことがあるからだ
今回、オレはアイツに告白するつもりでいた。
「あ、あの〜お客様。何をお探しでしょう?」
「……今の時期で告白する時、何がいい」
「!?!い、今お持ちします!!」
心底驚いたような顔をする店員は急いで花を包みに行った。あんな堅物そうな人でも告白するんだな〜っと店員は思っていた
「はい。お待ち致しました。こちらの花はオドントグロッサムと言う花で花言葉は「特別な存在」と言う意味を持っています」
頑張ってくださいね!と店員は笑顔でいい花を手渡す。最後まで店員は大寿を見送りそして後日同僚にこの話をしたという……
そして当日、オレはアイツと歩きながらイルミネーションを見ていた。改めて隣に並ぶの大きさの違いがハッキリと出てくるな……こんなにもAは細いのか
するとアイツは先に歩き人気の少ない方のイルミネーションに歩いていった。何を思ったかは分からないがオレにとっては好都合だった
クシュとくしゃみが隣から聞こえ大寿は少しぶっきらぼうに自身の着ていた上着を肩にかけた。そして一呼吸置いた後にAの目の前に行き花を渡すと同時に
「オレと付き合ってくれ」
そう言った瞬間にアイツはピタリと動きを止め何故か素早くオレに背を向けた。暫くの沈黙のあと少し震えた声でアイツは言った
『っ……ごめんなさい。少し考えさせてください』
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