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____翌朝。
いつも通りの時間に起きて、いつも通りの電車に乗り、いつも通りに会社に着く。
何ら変わらない毎日。
会社に着くと可愛らしい声で呼びかけられる。
これも毎朝のこと。
「Aさんっ、おはようございます」
「あ、おはよう、夏恋ちゃん、伶菜ちゃん」
夏「挨拶したのは私です〜」
「はいはい(笑)…あ、そんな二人にお土産」
伶「え!嬉しいです!」
「クッキー作ってたけど残るからあげる!じゃあね」
「「行ってらっしゃいませ」」
後輩の受付嬢たちにお土産を渡して大きいロビーを通り抜けてエレベーターへ。
毎朝のことながら、人が並んでる。
「おはようございます、Aさん」
「おはよう、川村くん」
壱「なんか今日ルンルンじゃないですか?」
「そう?そんなことないけどなぁ」
そんなことをとぼけながら二人でエレベーターに乗り込む。
私たちの職場は8階。
《推進企画部営業課》
これが私の勤めてる職場の名前。
壱「じゃあ先輩、また」
「うん、じゃあね」
後輩の川村くんは、隣の《推進企画部広報課》だから、ここでお別れ。
…と言っても部は一緒だからよく顔は合わせるけどね。
「おはようございまーす」
「「おはようございます」」
「Aさんっ、」
ちらほらデスクにいる同僚や仲間に挨拶をすると、
今度は可愛らしい声でまた名前を呼ばれる。
今日は呼ばれることが多い日だなぁ、
なんちゃって。
後ろを見ると後輩の乃々華ちゃんが手を、これでもかってくらい握りしめて立っている。
「どしたの?乃々華ちゃん」
乃「Aさん、本当に昨日は…」
「昨日のことはもう大丈夫だって〜(笑)気にしてないし、気にしてたら今日も上手くいかなくなるじゃん?」
乃「Aさん…」
「次は頑張ろうね」
乃「はいっ!よろしくお願いします!」
乃々華ちゃんは2年目の新人さん。
しっかりしてるし、責任感も強い。
昨日のミスを気にしてしまうところも、きっと彼女の癖なんだろうな。
なんて思いながらデスクに向かう。
「珍しいじゃん、あんたが優しい声かけるなんて(笑)」
「真波…(笑)」
真「なに、いい事あった?」
「ないですー」
同期の真波。
なんだかんだで仕事の悩みはこの人がいっつも聞いてくれるし。
…にしても、いいこと、ねぇ。
やっぱ昨日のBARが良かったのかなぁ、なんて。
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作者名:なおりん♪ | 作成日時:2018年1月3日 2時