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龍「お待たせ致しました。こちらキールです」
間もなくして出てきたのは、数原さん…いや、龍友さん特性のキール。
とても美味しそう。
「いただきます」
香りもすごく良くてスーッと飲めてしまった。
びっくり。
こんな美味しいキールを飲むのは初めて。
「…美味しい…こんなに飲みやすいキール初めてです」
龍「そら嬉しいなぁ」
そうやって少し照れくさそうにしながら笑ってくれた龍友さん。
すごくいい人なんだな。
「皆さん仲がいいんですね」
隼「いやぁー実際はそんなことないっすよ!」
龍「って言ってますけどまぁお客様には結構みんな仲良いねって言われます。笑」
「…みんな?」
そう言って首を傾げたとき、裏から「ただいまー」という呑気な声がした。
『…んぁ?接客中やったん』
隼「おかえり」
『…あ、あの亜嵐くんのお客さん?』
少し赤い髪の毛をした、眠たそうな目をした彼は私を見てそう言ったけど。
…ん?待てよ?
私って亜嵐さんのお客さんになってるの?
え?そうなの?
そしてそれはこのBarで共通認識になってるの?
裕「あ、いらっしゃいませ。僕中務裕太って言います。」
「あ、どうも…」
裕「この前来てくださってたお客様ですよね?俺覚えてます」
「え…」
前来た時中務さん居たっけ…?
いや、この前来た時は亜嵐さんと、小森さんと、あと外国人みたいな人が…
裕「あ、裏からちらっと見てました。笑」
「あ、そういうこと…」
びっくりした、この前来た時に会ってたら私とんでもなく失礼だったよ
裕「ゆっくりしてってください」
「ありがとうございます…」
中務さん、少し人見知りなのかもしれないけど、どこか柔らかい感じがあるから落ち着く。
ここのBarの人たちは個性豊かだなぁ。
隼「お仕事、大変なんですか?」
「え?」
隼「疲れたー!って顔してますもん」
「あー…まぁ、ちょっと…笑」
龍「ダージリンティー飲めます?」
「え?あ、はい」
龍「良かった。ちょっと待っててくださいね」
そう言って出してくれたのは、ダージリンティー。
Barなのに紅茶があるなんてびっくり。
龍「うちんとこ、仕事帰りに寄っていただくお客さん多くて。たまーにサービスで出してるんですよ」
「美味しい…」
龍「お粗末さまです」
凄く、気に入ってしまったかもしれない。
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作者名:なおりん♪ | 作成日時:2018年1月3日 2時