終天に巡り逢うⅣ (ページ42)

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番外編８ページ42

「、」

ほぼ衝動的にAの額に唇を寄せて、触れる。
驚いたように身を竦めたA。

『、っウルドさま、！』

俺から身を離そうとして胸元を押してくるが、その手首を掴んで引き寄せると抱き締めながら寝転んだ。
そのまま彼女の首筋に顔を埋めれば、びくりと身体を揺らしたA。

『っん、』

音を立ててそこに吸い付く。

『？、？』

噛まれると思っていたのか、何をされたのか分かっていなさそうなA。

「俺のモノだというシルシをつけた」

『え、…っは！？』

その意味を悟ったAがそこに手をやる。

『な、なん！？急に…っ！』

「残念だが、すぐに消えるな」

『そういう問題じゃないです！！』

喚くAを無視して再びシルシをつける。
湧き上がる支配欲と征服欲と独占欲が俺の中を駆け巡る。

『ぁ、！？』

もっと

もっト

モット

この女を蹂躙してやりたいという、そんな黒い自分が首をもたげるのを感じる。

「…」

ああ、自分の中にそんな醜いモノがいたとは。
だが悪くないと思う。永く生きすぎた中で芽生えたそれは醜いものでもあるが、同時に喪ったものを取り戻せるような気がして。

『、ウルド様…？』

煽情的な、その姿。
はだけた服から見える白い肌に映える紅いシルシをゆっくりと愛撫するようになぞれば、Aは身体を揺らした。

『っ、』

息を呑んで、潤んだ瞳で自分を見上げてくる。
その瞳には熱に浮かされたようなもので。

「…愛いな、A。…ぐちゃぐちゃにしてやりたい」

『っは！？』

ぽろりと溢れた本音に、Aが顔を引き攣らせる。

「おまえを前にすると、理性の箍が外れるらしい。思いもしない欲望や感情が込み上げてくるんだ」

『そ、それは…喜ぶべきですか…？』

「さぁな。それはおまえにとっては大変なものかもしれない」

『わーお』

「嫌か？」

『まさか。でも、…ちょっとドキドキしちゃいます』

照れ臭そうに、くすぐったそうに笑うA。
その表情は、とても…。

「…」

『ウルド様？』

こちらのことなど何も分かっていなさそうな無垢な眼差しが私を据える。

「A」

『は…い！？』

息を呑んだように、彼女は言葉を止める。

「…やはり、…」

『…』

エモノに狙いを定め、瞳を細める俺を見てAは恐らく本能的に逃げ出そうとするが、そんなことはさせない。

「さて、…どう食してやろうか…A」

そう言って、白い柔肌へと獣のように噛み付いた。