. ページ8
「俺はマックス・ランド。さっきは助かったよ、俺高いところが苦手でさ」
「貴方は…あぁ、ドゥエロ出場の件で先輩方に絡まれていた…」
「そう！良かった、覚えててくれて」
正直、薄らとしか覚えていなかったのが本音である。
「いや、寧ろお礼言いたいのは私の方だよ！憧れだったドゥエロの出場権を、こんな形で手に入れる事が出来るなんて…！」
「いいや、助けれらた僕が一番感謝しているんだ。結果的にWIN-WINだったとしてもね」
だから、お礼がしたいんだ。
そう優しく告げられ、思わず私の思考は停止した。
お礼も何も、WIN-WINだったら別に気にする事はないのに。
「プレゼントの方がいい？欲しいものって何かあるかな」
「いや本当に！何も要らないから大丈夫！」
「困ったな、このまま借りを作るのも嫌だし…」
困り顔を浮かべて頬を掻くマックス。
とは言っても、欲しいものもないのでどうしようもない。
「うーん…じゃあ苦手な教科ってあるかな。実技以外なら殆ど教えられるけど」
この言葉に、私はつい乗せられてしまった。
「え……本当？私、魔法史と魔法数学が一番苦手で…」
「決まりだね。俺、魔法史は特に得意だから任せてよ」
「あ、ありがたい！アオリオ…ルームメイトの教え方がスパルタ過ぎて、誰か他に教えてくれる人がいたらなぁって思ってたところだったの」
「ははっ、アオリオかぁ。彼女、きちっとしてるからな。同じ性格じゃないとスパルタって思うのも無理はないよ」
じゃあ明日の放課後、図書室で。
そう言ってマックスは、自分の寮室へと戻っていった。
勉強が苦手で、且つアオリオの教え方も合わない私にとって、マックスは正しく助け船だった。
そして以降、放課後の勉強会を重ねるうちに、私とマックスは親しくなっていった。
「ここの数式はこれ、応用問題の一つだよ」
「という事は…この数字を当てはめて…」
「そう、正解」
教え方も分かりやすく、優しいマックス。
問題を解いて正解すれば、私の頭を優しく撫でてくれた。
決して比べるつもりはなかったけど、アオリオのような "早く解け" という圧がない分、今までよりも解く時間は圧倒的に短くなっている。
でも段々と、マックスの私に対する扱いが子供のように感じてきて。
いつしかそれだけでは満足出来なくなってしまった私は、ついに彼を遊びに誘ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
竹駒(プロフ) - ゴリラパーティーさん» ゴリラパーティーさん、コメントありがとうございます！リクエストについては追って公開しますのでお待ちください…！ (2月29日 14時) (
レス) id: ec7e084a84 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラパーティー(プロフ) - ほんとにいつも喜んで作品読ませてもらってます（？）私なんかがリクエストなんておこがましいですがマックス先輩とのいちゃいちゃ？してほしいです！！返信はわざわざ送ってくださらなくても良いです！いつも見てます（今？って話ですよねすみません） (2月23日 11時) (レス) @page15 id: f1f12a25a1 (このIDを非表示/違反報告)
竹駒@土日祝更新遅め(プロフ) - 桜さん» 桜さん、コメントありがとうございます！マックス先輩の小説がないので、それなら私が…と書いてしまいました。楽しんでいただけているのであれば光栄です！ (2月21日 22時) (レス) id: 7767493df5 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 貴方のお陰で私は生きていけます。ありがてぇ、ありがてぇ…！好きですぅぅあああッ (2月21日 3時) (レス) id: 16dfaae67e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竹駒 | 作成日時：2024年2月16日 12時
