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午後の授業は魔法史。


課外授業が良かったなと内心不満を抱きつつ、教師の話す声に耳を傾けて板書する。


アウトドア派の私にとって、午後の座学は睡魔との闘い。


気を抜けばいつの間にか、ノートの文字がミミズのようにうねっていた。




「こら、寝るんじゃない」


「痛っ…」




もう睡魔に負けてしまおうと机に突っ伏しそうになると、こめかみにデコピンを食らった。


隣に座っているマックスが、呆れた目で私を見ている。




「だって座学つまんないし眠いし…」


「どうせ昨夜も遅くまで起きてたんだろ、自業自得だ」


「ちぇっ、真面目なんだから…」




束の間の仮眠すら許してくれない、生真面目な彼氏様。


彼女が隣で少し寝てるくらい、罰も当たらないでしょうに…。


渋々頬杖を突き、授業に集中することにした。




「それではこの問題を…マックス・ランド、解けますか?」


「はい。具体的に約800年前に起こった出来事としましては、エルフ族が──────」




教師に指名されれば間髪入れずに立ち上がり、意気揚々と答えるマックス。


魔法史が大の苦手な私にとっては、とても眩しく輝いて見えてしまい、ガラス越しの廊下に目を移した。


座学なんてつまらない、早く課外授業で思い切り走り回りたい。




「素晴らしい、しっかり復習が出来ていますね。A・ベネット、聞いていましたか?」


「えっ、あ、はい!」


「ちゃんと授業に集中するように。同じ生徒の回答から学びを得るのも授業の一環ですよ」


「だから言ったのに…」




急に名指しで注意され、ビクッと体が揺れた。


言わんこっちゃないという表情を浮かべ、着席するマックス。


少し離れた席からアオリオが、小馬鹿にするような表情でこちらを見ている。


アオリオめ…次の課外授業でボコボコにしてやるんだから。




「では、本日の授業はここまでとします。次は簡易テストを行いますので、各自しっかり復習するように」




授業終了の合図の鐘が鳴り、魔法史の教師が教室を出た途端、マックスの周りには一気に人だかりが出来た。




「なぁマックス、ここの問題なんだけど…」


「あぁ、ここは教科書の110ページにある単元の…」


「マックス、終わったらこっちも教えてくんね?」


「いいよ、ちょっと待っててね」




お陰で隣の席の私は、肩身が狭い思いをしている。


でも断固として、この席を立つことはない。


だってここは、私の特等席だから。

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竹駒(プロフ) - ゴリラパーティーさん» ゴリラパーティーさん、コメントありがとうございます!リクエストについては追って公開しますのでお待ちください…! (2月29日 14時) (レス) id: ec7e084a84 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラパーティー(プロフ) - ほんとにいつも喜んで作品読ませてもらってます(?)私なんかがリクエストなんておこがましいですがマックス先輩とのいちゃいちゃ?してほしいです!!返信はわざわざ送ってくださらなくても良いです!いつも見てます(今?って話ですよねすみません) (2月23日 11時) (レス) @page15 id: f1f12a25a1 (このIDを非表示/違反報告)
竹駒@土日祝更新遅め(プロフ) - 桜さん» 桜さん、コメントありがとうございます!マックス先輩の小説がないので、それなら私が…と書いてしまいました。楽しんでいただけているのであれば光栄です! (2月21日 22時) (レス) id: 7767493df5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 貴方のお陰で私は生きていけます。ありがてぇ、ありがてぇ…!好きですぅぅあああッ (2月21日 3時) (レス) id: 16dfaae67e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:竹駒 | 作成日時:2024年2月16日 12時

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