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マックスとのデート当日。


無事寝坊することなく(アオリオに叩き起こされて)、私はマックスとマーチェット通りを歩いていた。




「ね、マックス。今日の髪型どう?アオリオにやってもらったんだ!」


「似合ってるぞ、普段も結べばいいのに…勿体ないな」


「授業がある日は時間ないからねぇ」




編みおろしに花の飾りをあしらったヘアスタイルは、手先が器用なアオリオに結ってもらったもの。


加えて今日は赤いワンピースを着ているので、アオリオには赤ずきんみたいだと言われてしまった。


確かに赤い頭巾を被れば、それっぽくなるのかもしれない…。


そうしてマックスと話しているうちに、目的地である本屋に着いた。




「すぐ買ってくるから!」


「了解、ゆっくりでいいからね〜」




既にお目当てのコミックが置かれている場所が分かっているらしく、マックスは早足で店の奥へと行ってしまった。


私も何か面白い本がないか物色しつつ、店の中を回る。


ふと、とある本が目に入った。




「『線と交わる調べ』…?」




無意識にその本を手に取り、パラパラと流し読みしてみる。


内容を簡略化すると、二線魔道士が数々の試練を乗り越え、三線魔道士を目指すというものだった。




「二本線…か」




そっと自分の頬へ触れる。


レインもアオリオもマカロンも、そしてマックスも。


仲が良い同級生は皆、二線魔道士だというのに。


私の頬には、痣が一本しかない。


これは、私の密かなコンプレックスでもあった。




「…嫌なこと思い出しちゃった」




もう来年には卒業しなきゃいけないのに、どうして私は二線魔道士になれないんだろう。


マックスは二線魔道士にすらなれない私と付き合って、周りから変な目で見られてないのかな。


本を元あった場所へ戻し、ため息を吐く。


いけない、今はデート中なのにこんな暗い表情していたら。




「マックスにバレちゃ─────」


「俺がなんだって?」




耳元で聞こえた声に驚いて振り返ると、手に紙袋を持ったマックスがいた。


え、買うの、早くない…?




「ま、マックス…欲しがってたコミックは買ったの?」


「うん、もう買ってきた。そんな事より、俺に何がバレるって?」


「ぁ…えっと……」


「…場所を変えた方が良さそうだね、行こっか」




たじろいでいるとマックスは私の手を取り、本屋を出た。


表情を繕う事も出来ない私は、黙ってついて行く事しか出来なかった。

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竹駒(プロフ) - ゴリラパーティーさん» ゴリラパーティーさん、コメントありがとうございます!リクエストについては追って公開しますのでお待ちください…! (2月29日 14時) (レス) id: ec7e084a84 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラパーティー(プロフ) - ほんとにいつも喜んで作品読ませてもらってます(?)私なんかがリクエストなんておこがましいですがマックス先輩とのいちゃいちゃ?してほしいです!!返信はわざわざ送ってくださらなくても良いです!いつも見てます(今?って話ですよねすみません) (2月23日 11時) (レス) @page15 id: f1f12a25a1 (このIDを非表示/違反報告)
竹駒@土日祝更新遅め(プロフ) - 桜さん» 桜さん、コメントありがとうございます!マックス先輩の小説がないので、それなら私が…と書いてしまいました。楽しんでいただけているのであれば光栄です! (2月21日 22時) (レス) id: 7767493df5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 貴方のお陰で私は生きていけます。ありがてぇ、ありがてぇ…!好きですぅぅあああッ (2月21日 3時) (レス) id: 16dfaae67e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:竹駒 | 作成日時:2024年2月16日 12時

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