Stories of The Holy Night …or The Dream？2 (ページ10)

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「…わぉ。貸切？」

驚いた。人で溢れかえっているだろうと考えていたパーク内は、キャストさんを残して、他にゲストの姿がなかった。
さすがは钟辰乐。

どうしたらいいんだろう？と思っていると、
乐乐ソフトクリーム無料券!

メッセージが来ていた。
…さすがに寒いかな。まぁ、貰えるものは貰っておこう。

フードトラックを装った軽食販売のブースに近寄れば、すぐに、どうぞ、とソフトクリームを渡された。
近くのベンチに腰かけ、ちびちびと舐める。

チョンロ、すぐ来ると思ってたけど、なかなか来ないな。
もうアイス、食べ終わっちゃうよ。

なんて思っていると、たたたん、とブレーカーが落ちたときのように連続して電源が落ちる音がして、辺りが真っ暗になった。
…最近、サイコホラーものばっかり見てるからちょっと怖い。

思ったより長く続く停電に、本格的な恐怖を感じ始めた頃、ぱちっ、という軽やかな音と共に再び辺りが明るくなった。
暗闇に順応しかけていた視界が一瞬真っ白になる。

再びはっきりとものが見えるようになったとき、目の前には先ほどのラフな格好とはうってかわって、白いタートルネックニットに黒い厚手のジャケットを羽織ったチョンロがいた。
手には花束が抱えられている。

ベンチから立ち上がり、ゆっくりと彼の方へ歩みを進める。
ある程度近づけば、少し潤んだ瞳でにっこりと笑った彼が、膝まづいて花束を差し出した。

CL「你是我生命的全部，你愿意嫁给我吗?」

「…당연하죠.」

歪んだ視界で彼に駆け寄り抱きつけば、

CL「…泣きすぎ。」
「ロロこそ。」

いつもより湿度3割増だけど、いつも通りのトーンで、彼の笑い声が空気の澄んだ冬の夜空に吸い込まれていった。