Stories of The Holy Night …or The Dream？2 (ページ16)

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部屋に入ってリビングに行き、エアコンを入れ、ストーブをつける。
雪で濡れてしまったコートはストーブ横のハンガーにかけ、浴槽を軽く洗い、お湯はりのスイッチを入れた。

チソンはというと、玄関から入ったらそのままキッチンの冷蔵庫へ、というのが彼の動線になっている。
今日も例外なく真っ先に冷蔵庫に向かったかと思うと、扉を開けることなく、そのまま閉じた状態の冷蔵庫とにらめっこしていた。

…なんか、気になるものでもあったのかな。

「…チソンア。」

はい、と振り返ったチソンにちょっとだけ胸をなでおろしながら、

「上着、貰うよ。手、洗ってきて。」

はーい、という返事とともに受け取ったブルゾンを片手に洗面所へと向かう背中を見送った。
チソンのブルゾンを自分のコートの隣にかけ、キッチンでお湯を沸かす。

なんだか気配がして左を向けば、再びチソンが冷蔵庫の扉とにらめっこしていた。

どうしたんだろう？
いつも勝手に中を開けて食べてるのに。

JS「ヌナ…これ、誰ですか？」

チソンの長い指が示した先には、制服に身を包んだ高校生らしき男女の2ショット。
最近、実家の自室を整理したら見つかって、いい写真だったからこちらに持ってきて冷蔵庫に貼ったのだ。

チソンが見るのは初めてかもしれない。