守護天使、ストーカー、あるいは。 (ページ40)

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「で？俺は振られるわけ？」
「…すみません
考えてみたら、わたしはずっとジョンウが好きだったのかなぁ、って。ジョンウがどう思ってるかは知らないけど」
「ふぅん」

1週間が過ぎた。新調した携帯で先輩御用達のカフェに呼び出した。

ごちそうしますって言ったのに、それは俺のポリシーに反するからって。カウンターで言い争いになりそうでそれはわたしのポリシーにも反するから勝った方が奢るじゃんけんをしたら後出しされて負かされた。

先輩はドリップコーヒーが注がれたマグカップを持ち上げて香りをかぎ、ひとくち口に含んで何度か頷いた。…優雅だ。

「うん。…知ってたよ」
「え？」
「俺がAをいつからどうして好きになったのか、話してなかったね」

テーブルにカップをことり、と置いた先輩に姿勢を改めて向き直る。わたしが頼んだアイスアメリカーノはすっかり汗をかいていた。なんだか緊張して喉の渇きを感じるけど、プラスチックのカップに手を伸ばせないでいる。

「偶然見かけたんだ。
うちのサークルになんでいるんだろうっていうくらい同期とは馴染んでなくて、私語もなし。唯一そういう話をするのは中学の先輩だったユウタだけ。
可愛いのにあまり笑わなくて、もったいないなって思ってた」
「そんな…」
「ふはっ、ごめんね、あまり落ち込まないで？
…で、ある日ひとりで部室に残ってたらその子が忘れ物をしたとかで戻ってきた。
誰かと電話しながら、ほんと偶然」

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