22 ページ22
・
「A、俺が言いたいのは迷惑ってことじゃなくて、わざわざ怖い気持ちを無視しなくてもいいってこと。
で、知らないかもしれないけど、俺、Aのためなら割となんでもしてあげられる。
これはユウタのお墨付き」
ばちんってウインクした。
「ありがとうございます？」
「なんで疑問形？」
「いや、わたしがいうことじゃないけどどうしてそこまでしてくれるのか」
「じゃあ不審に思うなら交換条件」
「交換条件？」
「あの変なアプリ消してよ
さっき調べたんだけど、簡単に消せるみたい。」
そんなことお安い御用だけど、それで先輩は得をするんだろうか。
「もう、知らない人に俺の家がバレるってことでしょ
Aのストーカーにまで家に上がりこまれたら、俺…」
ブルブル、わざとらしく震えている。
「ジョンウはストーカーなんかじゃ」
あれ、ジョンウがやってることってストーカーと一緒？
なんで今まで気づかなかったんだろう。
なんでわたしは嫌じゃないんだろう。
「はい、スマホ貸してね、番号は？」
「0219」
0、2、1、9って呟きながらロックを解除する先輩。
パスコードをつけたのはジョンウ。
高校の帰り道の電車の中で。
「Aちゃん、もしかして携帯にパスコード登録してないの？」
「しないといけない？」
「危ないよ、誰かに見られたらどうするの。
貸して」
サッてわたしの手から携帯を奪い取って、慣れた手付きでパスコードを設定してくれた。
「0219」
「なんの数字？」
「僕の誕生日。
僕とAちゃん以外開けられないよ、絶対」
ねぇジョンウ。
ジャニ先輩が開けちゃったよ。
わたしが教えたからなんだけど。
心にぽっかり穴があいた気分なのはなんでだろう。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 323人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mawol | 作成日時：2022年9月2日 19時
