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「ごめんごめん」
「んー、いいよ。彼氏？」
「いや？…犬？というかウサギ？」
「なにそれ、ウサギも飼ってんの？
動物園じゃん！」
キャハハって笑う友だち。
卒業どころか、今やってるグループワークが終わったら切れちゃうような関係だけど、これくらいのほうが深入りがなくて好き。
面倒ごとなんて絶対起きないし。
「あー、Aが電話してる間にここまで終わったの。
ただ、ここから先が大体のニュアンスは一致したんだけど、どういう構成でいったらいいのかイマイチわかんなくて」
「例年どんな感じか知ってる？
あたしらの中には誰も知り合いいなくて」
「あー、確かサークルの先輩が一昨年同じのとったよって言ってた気がする、から聞いてみるね」
「うん、ありがと」
「じゃあかいさーん！
Aコーヒーありがとー！」
「う〜ん！ばいばーい」
店の外に出てからカトクを開くと、
『 迎えに行く』
とだけ来ていた。
意味がわからない。いらないって言ったのに。
だいたいわたしがどこにいるかなんて知らないはず、
と思ったら横に並ぶ高い影。
気味が悪くてスっと逆にずれたら腕を掴まれた。
振りほどこうとして、
「違うって！Aちゃん
…僕！ジョンウ！」
「…ジョンウ？…なんでここがわかったの？」
「えへへ」
ジョンウが誇らしげに見せてきたのはマップアプリらしきもの。
わたしたちが今いる場所にわたしの顔写真がついた赤いピンとジョンウの顔写真がついた青いピンが立ってる。
「なにそれ。こわ。」
思わず出た本音にジョンウが慌てる。
「違うって！勝手に入れたんじゃなくて、一緒に登録したじゃん！」
「いつ？」
「1ヶ月くらい前？
ほら、待ち合わせするのに便利だよって。
Aちゃんもへー便利だねーって言ってたよ」
全然記憶にないけどジョンウがそう言うならそうなのかな。
わたしを騙すことは絶対にしないから。
「Aちゃん、帰ろ？」
ジョンウが首を傾げながら差し出した左手をそっと握った。
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作者名：mawol | 作成日時：2022年9月2日 19時
