16 ムン妹再び ページ16
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「ジナ」
「ドヨンくん！？」
携帯を押し当てている耳元からではなく、後ろから綺麗な声がして、振り向いたら電話の相手がそこにいた。
なんでいるの、っていい切る前に思いっきり抱き締められる。
「はぁ、お願いだから心配させないで
こんな時間に1人で出歩かないで」
「大丈夫、」
「僕は大丈夫って思えないから」
ね？って肩を離して顔を覗きこんでいるドヨンくん。
これを言ったら機嫌を損ねるか、でも今の心配心配モードよりは平気だと思う。
「大丈夫、さっきまでジョンウちゃんに送ってもらってたから」
「ジョンウ？なんで？」
「最近物騒だって
背が高くて前髪が長い男の不審者が出たんだって」
「は？
…それ、ジョンウじゃなくて？」
ときどきとんでもない冗談を言うドヨンくん。
本人はおかしそうに目を輝かせてニヤニヤしていた。
「でもなんでジョンウ？」
「だから、」
「いや、なんでジョンウと会ってたの？」
わたしの右腕をとって、前腕をにぎにぎしながら口をとがらせているドヨンくん。可愛い。
「うーん、ちょっと相談があって」
「相談？なんの？」
「いろいろ」
「ふうん。解決した？」
相変わらずわたしの前腕をにぎにぎしているドヨンくんの両手をとって自分の手のひらと合わせる。
「解決した、かな、」
ドヨンくんの指の隙間に指を入れてぎゅって握ってみた。
おぉ、なんかいい感じ。
「ジナ」
「とりあえず、ご飯はドヨンくんが作ってね
掃除と洗濯はするから。
朝は弱いんだけど、ときどきとんでもなく早く起きるときがあるからびっくりしないで、痛た」
繋いでいた手がグイッて引っ張られた。
バランスを崩してドヨンくんの鎖骨あたりにおでこがぶつかった。
「ジナ」
「なに？」
ドヨンくんの顔を見たいんだけど、ドヨンくんの顎らしきもので後頭部をホールドされてるから動くに動けない。
「幸せだね。
もっと幸せになろうね」
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作者名：mawol | 作成日時：2022年9月2日 19時
