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気付いたら付き纏われていた、みたい。
『 Aちゃん
今日、何時に帰ってくるの？』
『 わかんない
遅くなるかもしれないから待ってなくていいよ』
『 大丈夫
サッカー見て待っとく』
…いや、待ってなくていいんだってば。
思わず声に出たそれは周りの友人に聞こえていたようで、どうしたの？と心配そうな表情で顔をのぞき込まれた。
「いや、なんでもない
それよりどこで課題する？
今日中には終わらせたいよね」
「図書館は？」
「ダメだよ、喋ったら怒られるもん」
「スタディカフェ？」
「あたし今月絶望的にお金ないの」
「まじかよ、あ、Aんちは？
駅から近かったよね？」
え。
変えたはずの話題がブーメランで戻ってきた
「だめだめ
超散らかってるし、」
「えー。Aに限ってありえんないでしょ」
「…
イヌ！
うちの犬、めっちゃでかくて！
しつけとかもあんまりだから、みんな怪我しちゃう、かも？」
「なんで疑問形なんだよ」
「ひとり暮らしなのにでっかい犬飼ってんの？
すごいねさすがA」
「じゃあしょうがないな、Aの奢りでカフェね」
うんうん。しょうがない。
わたしも最近わりとかつかつだけど。
「今度犬の写真見せてね〜」
「え！？」
「なんでえ！？なの？まぁいいけどさぁ…
あ！知ってる？最近不審者出たらしいよ」
「まじで、どんな？」
「夜駐輪場で声かけられたらしい
背が高くて前髪が目が見えないくらい長くて男」
「なにそれ、情報少なっ」
上手い具合に話題が逸れてほっと胸をなでおろした。
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作者名：mawol | 作成日時：2022年9月2日 19時
