溶けちゃうかもしんない［JN(엔DREAM)］ ページ31
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「いーじゃん！行こうよう…」
最初こそ、元気よく行こう行こう！と言っていたAだけど、駄々をこねすぎて疲れたのか、だんだん言葉に覇気が無くなってきた。
「えー、寒いし、家でのんびりしようよ。」
人も多いしさ、と僕が何度目か分からない反論。
「車も！車もわたしが運転するから！」
…それがいちばん怖いんだって。
「…定期的にワイパーとウインカー出し間違える人の車で江原道まで行きたくないんだけど。」
「じゃあ、…バス？」
どうも諦める気がないらしい。
「A酔うじゃん。いいよ、僕運転する。」
ついに、折れてしまった。
「やったー！ジェノ大好き！」
椅子から立ち上がって、テーブル越しに向かい合って座っていた僕の方へ、たぶん、抱きつくために向かってくる。
散々反対していたのに、これだけで、まぁ、いいか、と思ってしまうから、我ながら、現金だなぁ、と自分に呆れた。
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「どこ？」
助手席に座るAに行き先を尋ねる。
「龍平リゾート」
ヤン、とナビに入れかけて、
「え。あそこ急じゃん。」
「だからいいんじゃん。」
「やだ。僕もう行かない。」
「えぇ…他にどっかあったかなぁ。」
「あるじゃん、いっぱい。」
とぼけるAを無視して、初心者向けコースがちゃんとしているスキー場の名前を打ち込む。
「え。つまんない。」
「いーじゃん。ここ、景色も綺麗だし。」
えー、とまだ口をとがらせているAに、
「タッカルビ食べようよ。」
と、言うと、
「そうする笑？」
タッカルビに釣られて、すぐに折れるあたり、僕だけでなく、彼女も十分、現金だなぁ、と思う。
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作者名：mawol | 作成日時：2022年2月17日 2時
