Good Day (ページ29)

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「…暑い、」

寝苦しくて、寝返りを打つけど、やっぱり眠れなくて、ふと気付く。

…快適な風が、止まっている。

なんで？と謎の違和感を抱きつつも、しょうがない、とベッドを出て、操作盤まで歩き、

がこっ。

なにかに膝をぶつけた。

…え。なにこれ。痛い。

寝起きで、というかまだほとんど眠っていてうまく働かない思考を働かせよう、としたとき、

「うわ。」

急に部屋が明るくなって、思わず腕で顔を覆う。

「…やっぱり。」

恨みの籠ったような低い声で唸ったのは、おそらく明かりを点けた張本人であろうA。

「…なに。」

こちらも急に目を覚まされて爽やかな気分では無いので、自然と声が低くなる。

「エアコン。」

エアコンに親でも殺されたんか、というくらい低い声で唸るAだけど、

「…エアコンがなに。」

本当になんで怒ってるのかわからなくて尋ねる。

「付けた？」

「付けたよ？」

「なんで？」

「暑いから？」

正直に答えただけなのに、はぁ、と大袈裟にため息をつく。

「え、なになに？どうしたの？」

「…わたしは、リビングのソファで寝るので、オッパは、お気になさらず、エアコンガンガンの、こちらの部屋で、ふかふかのベッドで、快適に、お眠りください。」

では、おやすみなさい、と深々と頭を下げて、寝室を出ていった。

え。マジでなに？

全然わからなくて、慌ててAを追いかける。

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